出版社内容情報
1945年8月6日、あさ8時15分。当時の子どもたちが書き残した言葉を、いまを生きるすべての人へ。
日本で初めて戦争をテーマに、青少年の子どもたちに向けてつくられた絵本『わたしがちいさかったときに』(童心社)の刊行から58年。この本に収録された、原爆を体験した子どもたちの言葉をいまにつないでくれるのは、児童文学作家のあまんきみこ、詩人のアーサー・ビナード、当時の執筆者の小川俊子が語る言葉と、いわさきちひろが描いた絵。とどまることのない時間の流れのなかで、時をこえて当時の子どもたちと出会い、わたしたちは今日を、明日をどう生きるのかをともに考える絵本です。
【目次】
内容説明
時計がとまってもわたしはとまらない。あの日のあの人に会いたい。原爆を体験した子どもたちといま、出会う。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
明るい表通りで🎶
71
広島で原爆を体験した子どもたちの言葉。いわさきちひろの挿入画が、やさしく包みこむ。忘れまいヒロシマを、忘れまいナカサキを、忘れまい1945/8/6と8/9を、、、2025/09/24
陽子
38
原爆を体験した子どもたちの作文集。のどかな日常が奪われたあの日。子どもたちの素直な文章。切なさに涙がこぼれた。たった4歳で両親を失った子は、畑に花を摘みに行った時に被災。子どもを守るために、妻を泣く泣く見殺しにして逃げなければならなかった夫。自分の命がもうわずかと知り、幼子に自分のお弁当を渡す少女。85歳で再び文章に起こした婦人もいる。「戦争は、人の命や、それまで築いてきた多くのものを奪います。ずっと、消えることない悲しみを心に深く刻みこみます」。いわさきちひろの挿絵から悲しみが伝わってきた。2025/09/06
anne@灯れ松明の火
22
新着棚で。戦後80年という節目の今年は、8月を過ぎても、戦争、平和について考える番組や本に出会えた。1945年8月6日、あさ8時15分。原爆を体験した子どもたちが書き残した言葉、あまんきみこさん、アーサー・ビナードさんの言葉、どれも大事に語り継ぎたい言葉。いわさきちひろさんの淡く、優しく、でも強さを秘めた絵が素晴らしい。2025/09/30
takaC
17
今回はパブリック図書室から借りて読んだが手元に置いておきたい一冊。2025/09/17
遠い日
7
原爆を体験した子どもたちのことばが、真っ直ぐに胸に飛び込んできます。無惨な体験はその後の時間を縛るものとなり、家族や家の喪失は筆舌に尽くし難い苦しみだったでしょう。挟まれた、あまんきみこさん、アーサー・ビナードさんのことばに込められた平和への祈りも胸の底に沁みてきます。いわさきちひろさんが描く無心な子どもの目が、わたしには痛かったです。2025/09/19