出版社内容情報
森村 誠一[モリムラ セイイチ]
著・文・その他
川上 成夫[カワカミ シゲオ]
著・文・その他
内容説明
鎌倉幕府の実態は腐り果てていた。執権は遊びほうけ、内管領が政治を思いのままにしていた。幕府討幕の志が捨て去れぬ後醍醐天皇は、近しい者と密議を繰り返していた。そして、夢のお告げに現われた天皇親政の先駆けとなる武士・楠木正成に使いを送るが、幕府側に動きを察知されて―。戦乱の世を激しく生きた英雄たちを、情熱的な筆致で描いた著者渾身の歴史大河小説。
著者等紹介
森村誠一[モリムラセイイチ]
1933年熊谷市生。青山学院大卒。十年に及ぶホテルマン生活を経て作家となる。江戸川乱歩賞・日本推理作家協会賞・角川小説賞を受賞。推理小説の他、歴史小説・ドキュメントにも作風を広げている。2004年には作家生活四十周年をむかえ、日本ミステリー文学大賞を受賞する
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感想・レビュー
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BIN
6
第1巻は正中の変が終わり、次の元弘の乱で後醍醐天皇が笠置山で籠城しているところまで。北条高時が単なる愚蒙ではなく、そういう風に装ってる感ががあるのはいいですね(女には溺れているが)。後醍醐天皇が覇気があるのはいいが、空回りしているし、人を見かけで判断する公家の愚かさとかがもうこの時点で顕れているのもある意味わかりやすい。足利高氏とか新田義貞とか武将視点でのこの時代の小説は読んだが、太平記のような全体を俯瞰して読める小説は本作が初なので流れがよくわかってよい。2024/08/19
うたまる
4
「これより世の中が変わるぞ。どのように変わっていくかわしにもわからぬ。だが変わることだけは確かじゃ。その変化の外に楠木家は立つことはできぬ」(楠木正成)……歴史で面白いのはやはり時代の変わり目。今回は鎌倉時代から建武の新政を経て室町時代に至る大河ドラマに挑む。太平記は南朝寄りのため、ある種のバイアスはやむを得ない。北条家や足利家の都合はこちらで考量しながら読み進めよう。と思ってたら、楠木正成が付近の荘園に略奪を仕掛けていた資料にも触れていた。やるな、森村誠一。おまけにこの表紙デザインがやけに好きだ。2014/05/18
アンゴ
3
敗戦後皇国史観否定のため、学校や一般で取り合い難くなったこの時代だが、江戸時代から敗戦まで日本人の常識、価値規範として重要な位置づけにある民族的物語。徒に拒否したり功罪を論うのではなく、明治維新やその後の日本を客観的に理解するためには、日本人として知っておかねばならないと苦手意識を置いて一念発起。古典の方は手強いが推理サスペンスの巨匠が現代人に分かり易く噛み砕いて歴史絵巻を展開してくれて、大河ドラマより入り込み易く一気読み。全6巻の一巻は、1324-1331年後醍醐帝正中の変から楠木正成赤坂城挙兵まで。2014/03/14
ちゃま坊
2
再読。みごとに忘れていた。北方太平記「楠木正成」と併読。こちらの方がよくわかる。後醍醐天皇と鎌倉幕府の対立から話が始まる。★★2015/06/05
茅渟釣迷人
2
古本購入-売却2011/01/15