内容説明
粘着力を帯びた不気味な液体はしきりに瘴気を立ちのべていた…。究極の「完全犯罪」を目論む表題作『人間溶解』をはじめ、突然の侵入者に怯える主婦の心理を覗く『行きずりの殺意』。“少女”に取り憑かれた教師を描く『青の魔性』、満員電車の人間関係の暗部を映す『殺意』など、日常の中にある、なにげない恐怖が滲みでる傑作ホラー短編集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェルナーの日記
218
もはや作家・森村誠一氏について語るまでもないと思います。自身の名前を冠したTVミステリー・シリーズも制作されるなど、数多くの作品が映像化されて、当にミステリーの巨匠といえる。本書は、ミステリーの巨匠自身が選んだ自選集で、7作品で編まれている。何気ない日常が繰り返される日々、その中でひとりの人間が殺意を抱くきっかけとは何か?ちょっとした憎しみが殺意行動へと増幅させるものは何か?!巨匠によるただの一般人が殺人者へ変貌する人間模様が見事に描かれている。2021/05/24
Yu。
25
最後に奈落へ突き落とす捻り技に魅せられる六つの毒人短篇集。。どれもが面白いが、なかでも「蟻牛の中にシジミ蝶がいるが、この蝶の一族は蟻の巣の中に入るといままで草を食べていたのが突然、化けの皮を剝いで、蟻の幼虫や蛹を食べてしまう。まあ、その蝶もひどい奴だが、そんな恐ろしい牙を持った蝶を巣の中に連れてくる蟻も馬鹿だね。」‥うん まさに!なストーリー「肉食の食客」は何度読んでもその鮮度は失われない。2019/09/27
ティンカーベル
4
会社の方から貸していただきました。んー、なんだか身近に起こりそうな…あり得る恐怖がヒシヒシと…面白かったわぁ。オススメです。2013/04/26
enyo
3
密かに読んでる自選恐怖小説集。 どの話も日常的な恐怖を描いた短編集🔪 解説にもあった、サカキバラやオウム事件等『日常が小説を超えてしまった』世界だなと思いました。 昔の角川ホラー特有の謎表紙も良い✨ #読書好きな人と繋がりたい https://t.co/G3GBr4vLsI2022/01/17
ぽるる
3
全7編の短編集。「肉食の食客」が一番おもしろかった。こんな希代のクズ男なんて家から追い出せばいいのに。甘い顔をしたばかりに人生破綻しちゃうなんて笑えないよ。人間を溶かしちゃえば犯罪が発覚しないんじゃない?って、いつの時代の人も思い付くパターンなんだね(笑)2015/11/14
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