内容説明
群雄割拠する戦国の世に、尾張半国を斬り従えて頭角を現した父・織田信秀は、国主大名へと成り上がる野望を果たせず病没した。内外を敵に囲まれて跡目を継いだ信長は、内戦を勝ち抜き、ついに強敵・今川義元を桶狭間に討ち取ると、美濃攻略に取りかかる。天下への大きな一歩を踏み出そうとしていた…。革命児・織田信長の素顔に迫り、空前のブームを巻き起こした記念碑的大作。文字が大きく読みやすい角川文庫版。
著者等紹介
津本陽[ツモトヨウ]
1929年、和歌山県生まれ。東北大学法学部卒業。78年、『深重の海』で第79回直木賞受賞。代表作に信長、秀吉、家康を描いた『下天は夢か』『夢のまた夢』(95年第29回吉川英治文学賞受賞)『乾坤の夢』の“夢三部作”などがある。2005年、第53回菊池寛賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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姉勤
31
はじめ、「夢のまた夢」を手に取るも、3部作なる知恵が入り、本書を手に。信長、秀吉、家康の天下太平ものと幕末ものは、フィギアスケートで言えば規定演技、落語で言えば古典の本寸法。作家がその中でどれだけカラーを出せるかが腕の見せ所。津本氏は本格的に剣道と居合もやられ、そのためか殺陣、合戦描写が痛い(痛覚的な意味で)。そして「血」を感じる。体内を駆巡る血潮と、吹き出した血しぶきを。本書は少年信長から尾張平定まで。桶狭間の、敵味方双方の”足掻き”は白眉。2014/08/05
金吾
22
情報の観点は面白かったです。森可成の立ち位置が良かったです。2024/05/31
ぺぱごじら
17
初版1988年、新聞小説で桶狭間の首実検のくだりを読んだので大体30年前の作品。今川の殿様がバカ仕様だったりするあたりに時代を感じるなぁと感慨に(笑)。蜂須賀が「織田に仕えるのではなく、藤吉郎に仕える」というエピソードは、いつ読んでも気持ちいい話。2017-42017/01/06
只三郎
12
ここまでじっくりと信長の生涯を描いた小説を読んだことが無かったため、久しぶりに夢中になって読んだ。2023/09/16
岡本
11
平成元年に発売された歴史小説なので所々古い説が見られて時代を感じる。「織田信長の素顔に迫る」というキャッチコピーの通り描写が細かいのだが過多な部分も在り、読んでいて疲れる部分も。あとその割に戦闘描写はあっさりしていたりと色んな意味で読んでいて面白かった。信長や秀吉のセリフなどは尾張訛りで書かれているが慣れていないので少し読みづらかったり。続巻は気が向いたらかな…2016/03/15