内容説明
織田信長、徳川吉宗、渋沢栄一、金子直吉、山岡鉄舟、宮本武蔵ら歴史に名を残した男たちは、剣が峰に立たされた際、乾坤一擲の大勝負に出て、逆境を切り抜け、己の意地を貫いた英雄たちである。時代が混迷化する今こそ、彼らに学ぶ点は多い。「今最も求められるリーダー」「官僚が学ぶべき人」など、歴史小説の第一人者が、現代に甦える十六人の英雄(サムライ)の実像とその魅力を描き切る。
目次
今最も求められるリーダー―徳川吉宗
官僚が学ぶべき人―大岡越前守
世界戦史に残る戦略家―織田信長
下剋上の野望―明智光秀
“忠臣”の負けじ魂―山中鹿之介
晩年にも機あり―北条早雲
大商人になる条件―紀伊国屋文左衛門
天性の相場師―本間宗久
経済立国への先見―渋沢栄一
日本一の商社を築いた男―金子直吉〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mura_ユル活動
35
ケイさんのレビューで、手に取った。16人の英雄の真剣勝負。それぞれが人より時代を濃く生きる。簡潔にまとめられ、気に入った人物をチェックし、詳細の時代小説を読み進むのが良い。やはり近藤勇は読み物としてハラハラし面白かった。鉄舟や相場師是川銀蔵は今後、読み進めたい。「人は道によっておこなう時は勇気が出るが、わずかでも私心があり、術策をめぐらす気があらわれると、身に隙が生じるものだ」。「無形をもって有形に勝つ」。高頻度で出てくる言葉『天稟(てんびん)』。文章中、人が多く出てきて家系図などあるとよいと思った。2013/10/23
ケイ
31
真剣勝負だから、勝つ場合も負ける場合もある。いづれも、命を掛けた真剣な勝負は美しい。吉宗や大岡、是川銀蔵などは、生涯をかけた勝負というか生き様。立派だが、やはりここぞの勝負…、信長の合戦や、清水次郎長の鉄舟との対面、鉄舟が何年もかけて勝とうとした浅利との剣道対決など、彼らの気迫に心が踊らされた。勝てないながらも、ひたすら主人の家の再興をはかった山中鹿之助の執念にも心酔した。恋だの愛だのは関係ない男の勝負は美しく羨ましい。女の真剣勝負ではこうはいかない。2013/09/22