内容説明
桜の花の咲き乱れるころ、新卒の国語教師として都内の名門高校に赴任してきた萩尾圭子。学校という閉ざされた空間の中で、不可思議な出来事が圭子を襲う。春の校庭で、初夏の教室で、修学旅行で、目には見えないもうひとつの世界が圭子の前に顔をのぞかせる…。書下し学園ホラー。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
καйυγα
7
転校生2。学校で怪奇が起こる7話の物語。7話共通で同一の学校、同一の人物を中心とした内容に違和感を覚える。非現実的な事象のみ発生するが、涼しい顔で受け入れる主人公に対して、はて、これは異世界かね、と首を傾げる。魔物とか妖怪とか、見えるとか見えないとか、摩訶不思議さが中途半端な気がするからそう感じるのかもしれない。じっとりというより、さっぱり感の方が強く、唐突に終わらせる、解決させる駆け足なとこはなんだか頂けない。もっと濃く、もっと引っ張ってもいいと思うのだが。うぅむ、物足りないぃぃ2015/05/14
うし
3
前の転校生と違い今度は先生が主人公。同じ学校で新任当初からこんな目に遭い続けて大変だなあと思ってしまう(笑)一つ一つの話は恐怖を煽るタイプのホラーじゃないけど、綺麗にまとまってます。次の有本咲子が主人公の長編にどう繋がるのか楽しみ。2012/03/07
かずちゃん
2
この主役の先生、最後死んだのかな? ラストがよく分からない。森さんは長編の方がおもしろいかも。2015/03/14
朱音
2
「新学期」から「最後の授業」まで七話、新任教師萩尾圭子を語り手に、学校の日常の中の恐怖、が始まる。ホラーの怖さ、というのはどこにでもありそうな日常がいつの日からかすこしずつずれていくところにあるのではないかと思うので、こういった学園ホラーものはいい。何も無くても深夜の学校は怖いし、学校の怪談というのは確かにあるのだろうし。七話の連作だが、どれか一つと言われれば第一話「桜の樹の下」がいい。名残の桜が咲く木陰の弓道場。使用禁止にされているはずのその射場から聞こえてくる矢を射る音。…どうです、雰囲気あるでしょ?2002/01/29
有智 麻耶
1
転校生シリーズ第二段は、新任女教師が様々な怪異に巻き込まれる、というもの。新任なのに大変なこった(笑) 一つ一つの話は、はっきり言って怖くない。日常八割恐怖二割みたいな感じです。怖い話が読みたい人には物足りないかも。 しかし相変わらず表現が上品です。2012/08/06