内容説明
榎本艦隊来る―この知らせは、あっという間に奥州の隅々に広がった。兵士が各地から続々と集まってくる。奥羽越列藩同盟は崩壊し、鶴ケ城で決死の戦いを続ける会津藩の抵抗も時間の問題だった。薩長を相手に苦しい戦いを続ける幕府軍の最後の砦が榎本艦隊だった。蝦夷地に独立国を―榎本武揚と彼の艦隊は北を目指し、箱館の五稜郭に拠って戦うが…維新戦争最後の戦いを描く。
感想・レビュー
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いたろう
43
榎本武揚率いる艦隊が蝦夷地に渡る直前から描かれる戊辰戦争の最後、箱館戦争。榎本武揚という傑出した人物に対して、運命の女神はいかに冷たかったか。もし、開陽丸が遭難していなかったら、そして、榎本武揚の思惑通りになっていたら、北海道は今、日本から独立した国になっていたのかもしれないと思うと、不思議な思いがする。しかしこの小説、「箱館戦争」と銘打っていながら、戦争の舞台がいよいよ函館にという直前で終わっている。続きは「続 箱館戦争」へ。この途中感は、正・続と言うより、上・下巻のよう。2016/03/18
ヨシ
0
約20年振りの再読。年末時代劇『五稜郭』を視聴して購入したが苦労して読破した記憶がある。20年で幕末の流れ、知識が増えすんなり読めた。2015/08/25