角川文庫<br> 帝都物語〈第弐番〉

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角川文庫
帝都物語〈第弐番〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 525p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784041690253
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

大正12年9月1日―。平将門の霊を喚び覚まし、帝都崩壊を企む魔人・加藤保憲は妖術を操り、関東に大地震を引き起こした。だが、将門の霊は完全に覚醒せず、震災後、後藤新平の放射状都市と渋沢栄一らによる地下都市という二つの壮大な帝都復興計画が開始される。しかし、加藤は再び天体を利用して、帝都完全崩壊を画策していた。将門の末裔である巫女・辰宮恵子は、この危機を察知し、風水師・黒田茂丸と共に、加藤の野望を阻止せんと起ちあがる。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

150
荒俣先生がご自分の知識をどんどん広げられてそれに伴って物語もかなりな展開となってきています。ナチの地政学の祖とでもいうべきハウスホーファーまででてくるとは、しかも幸田露伴がかなりの力をもってだれがどうつながっていくのか楽しみです。2016/11/12

ヴェルナーの日記

95
加藤は“地の竜"を駆って関東大震災を起す。次は”天の竜”を駆り、日本滅亡を企む。”天の竜”とは、護法童子(式神)を使役し月を、太陽と地球のラグランジュ・ポイント(互いの引力と斥力がつり合い完全な無重力状態なる場所)に移動させ“永遠の月”を造りだそうとする。これが完成すれば、月と地球の引力が変動し、潮力が変わり大津波が発生する。果たして辰宮恵子は、加藤を野望を阻止できるのか!?衝撃のラストに克つ目せよ!!ちなみにラグランジュ・ポイントは、機動戦士GUNDAMの世界でスペース・コロニーがある場所なんだよね。2016/03/25

文庫フリーク@灯れ松明の火

93
地の竜動かすことで関東大震災招いた魔人・加藤。大東京復興院総裁・後藤新平の指示で赴いた渋沢栄一子爵の語る帝都復興の目玉は、浅草・上野・神田・日本橋・京橋・銀座・新橋を地下鉄で結び、各駅地下街で結ぶ帝都地下都市計画。思惑通りに動かぬ将門の怨霊見限り、天の竜・北斗七星動かすことで地球レベルの破壊企む魔人・加藤。放った式神は、鬼の姿で地下鉄第一期区間・浅草~上野間の工事を妨害する。その式神に挑み、岩盤爆破工事為そうとするのは、東洋初のロボット・学天則。よもや学天則の動画見られる時代が来るとは。将門の巫女たる→2015/07/27

明智紫苑

19
加藤保憲は辰宮洋一郎の「女」を二人も寝取ったが、前巻序盤では、洋一郎本人とも一時期そういう関係だったのがほのめかされていたのだな。それはさておき、恵子は夫洋一郎に対しては「義務感」はあっても「愛」は無きに等しかった。だからこそ、加藤に身も心も奪われるのは当然の結果だよな。とりあえず、加藤と恵子のエロ描写は、谷恒生氏の『紀・魍魎伝説』みたいなグロテスクなものでなくて良かった。2022/04/08

東京湾

18
大正・関東大震災。加藤によって焦土と化した帝都、復興に向けて尽力する人々、現実味を帯びる地下都市計画、妨害、邂逅、破局。第一部完といった感じかな。こういう終わり方かと少し拍子抜け。しかしそこまでの突き抜けるような切迫感に満ちた展開は実に面白かった。星を動かすとはやることなすことの規模が凄い。そしてやはり物語の背後にどんと構える荒俣先生の知識量よ。続刊へ2017/03/27

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