内容説明
恋人・ロビンを失った傷を抱え、彼の眠る湘南で暮らすノブ。サーファー・久実との奇妙な共同生活も3ヵ月目。二人は地元の若い漁師・昭一郎の紹介で、ウクレレを弾きながら歌うことで生計を立てはじめた。やがてノブは、昭一郎がプロのミュージシャンになる夢を諦め、漁師になった過去を知る…。つまずき、迷いながらも懸命に生きるノブの姿と、ウクレレにのせたその歌が、周りの人々に、再び、夢に向かって走り出す勇気をもたらしていく…。前作『Sing 海がくれたバラード』の続編として書き下ろされた、挫折と再生の物語。
著者等紹介
喜多嶋隆[キタジマタカシ]
5月10日東京生まれ。明治大学卒業。コピーライター、CFディレクターを経て、第36回小説現代新人賞を受賞し作家に
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感想・レビュー
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おしゃべりメガネ
76
舞台は湘南。サーファーの恋人「ロビン」を失い、傷を抱えたまま日々を過ごしている「ノブ」とサーファー「久実」との奇妙なコンビの生活も前作から3ヶ月が経ちました。相変わらずの極貧生活の中でも、何かしら楽しく前向きに暮らす二人の元に、様々な出来事が舞い込んできます。二人はウクレレと歌でちょっとしたギャラを貰うコトができ、少しずつではありながら生活レベルが向上していきます。そんな中、二人にウクレレと歌のステージを紹介した若い漁師「昭一郎」が謎の大怪我を受けてしまいます。夢に向かって突き進む人々の姿に感動します。2024/06/25
斉藤らむね
2
シリーズ第2弾。第1作で心にぽっかり穴が空いていた二人の少女はすっかり日々を手に入れた。鎌倉でウクレレを弾きながら歌い、仲間も居場所もできた。そうなると新しいことに目が行き始める。充実感とともに悩みも生まれる。物語の中にいると、どんなチャレンジもできるし、どこにでも行けそうな気がしてくる。心が開放的になる。引き続き音楽も流れている。ウクレレの朗らかで切なげな音色が、どこからかかすかに聞こえて来る。何か音楽を始めてみようかな、そんな気になる。自然の音と合わさると、さらにいい。海辺の街と時間を感じる物語。2021/08/15
てるてる
2
ときどき後ろを振り返っても、決して下を向かずに前を見る、こういう話はシンプルだけど、とても好き。海の風や音が聞こえて、胸に沁みるような心地よさがある。2018/03/16
あべちゃん
1
このシリーズ好きです。海で死んだ恋人を想っているうちに元サーファーの女の子と知り合いひょんなことから共同生活をし、貧乏でも明るく暮らして、そのうち主人公の得意なウクレレと歌をレストランバーで披露するという話ですが、登場人物達が手探りで模索して自分の生きる道を探している姿からパワーをもらえます。3も気になります。2013/09/02
読み人知らず
1
復帰の話。みんなが元気になっていく。相変わらず写真がよい2012/05/22