内容説明
大手都銀の帝都銀行・元常務の大宮紘平は、行内抗争に敗れ、系列の帝都クレジット社長の座も追われようとしていた。かつて頭取候補と目され、カード業界で大宮旋風と言われる拡大路線を展開したその経歴と手腕に目をつけたのは、消費者金融最大手・富福のオーナー社長、里村栄一だった。が、大宮を待ち受けていたのは、富福の驚くべき企業体質だった。消費者金融の絶頂期を克明に描き、その後の凋落を予言した傑作経済小説。
著者等紹介
高杉良[タカスギリョウ]
作家。1939年東京生まれ。専門紙記者・編集長を経て、75年『虚構の城』でデビュー。以後、綿密な取材に裏打ちされた企業・経済小説を次々に発表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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外枠発走
16
今は韓国企業の傘下となった消費者金融武富士をモデルにした経済小説です。少し古い話ですが、著者は武富士を代表とした消費者金融の未来を予想し、その予想は見事的中しました。また、消費者金融の実態やこれを取り巻く諸問題を上手く小説の中に織り込んでいます。結局、「欲望産業」という題名の意味がはっきりしませんでした。僕は金を貸すことで、人々の欲望を満たすという産業という風に解釈しましたが・・・。 2011/07/22
おおとろ
12
☆☆☆☆☆ 再読。武富士がモデルになっている消費者金融の話で、何度読んでも面白いです。高杉さんの小説はハズレがない。2023/02/21
奈良 楓
5
銀行から消費者金融に転職した剛腕銀行マンが主人公ですが、ビジネス本に珍しく主人公が非常にいやな奴です。下巻の展開が楽しみです。2014/06/15
Mik.Vicky
4
あまり意識せず読み始めたが、結構昔の話のよう、確かにサラ金が花形産業だったのはまあまあ昔の話。なんとなく武富士がモチーフになっているのではと感じていたが、やはり。2023/11/05
よっしー
4
★3.5 武富士か。2022/12/02