内容説明
閣議の雑談の中から生れた目安が、いつしか独り歩きをはじめ、そして、犯すべからざる聖域となった。防衛費GNP1%枠である。吉田内閣の警察予備隊の創設以来、防衛問題は、常に与野党の基本姿勢を区別する明確な分水嶺であり、国会での論争は、絶えることがなかった。しかし、今日、国内外の政治状況の変化と、国民の意識の変容は、防衛問題にあらたな局面をもたらしつつある。戦後政治の総括期を迎え、あらためて防衛問題の本質が問われようとしている。
目次
序章 防衛論争の終焉
第1章 昭和60年真夏の攻防(1%枠突破の序曲;1%枠突破、第1ラウンド;実質突破、第2ラウンド)
第2章 戦後の防衛論争(自衛隊の発足まで;1%枠決定まで)
第3章 転換期の中で(1%枠の誕生;政策から政局へ)
第4章 いずこへ(連合論の系譜;新大政翼賛時代の幕あけ?)




