内容説明
ある出来事がきっかけで、生きる希望を失ってしまった幹太。朦朧と電車のホームの淵に立つと「死ぬ前に、私と付き合いませんか!」と必死な声が呼び止める。声の主は、幹太と同じ制服を着た見知らぬ美少女・季帆だった。その出会いからふたりの不思議な関係が始まって…。強引な彼女に流されるまま、幹太の生きる希望を取り戻す作戦を決行していく。幹太は真っ直ぐでどこか危うげな彼女に惹かれていくが…。しかし、季帆には強さの裏に隠された、ある悲しい秘密があった―。
著者等紹介
此見えこ[コノミエコ]
幼少から執筆活動を始め、本作で、エブリスタ小説大賞2019×スターツ出版文庫大賞青春部門の大賞を受賞し、書籍化デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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COSMOS本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みーちゃん
82
幼なじみで片思いの七海に彼氏が出来た。落ち込んでいる幹太は、以前から幹太を知っているという季帆に話しかけられ… 季帆の一途すぎる恋心が時々怖く、結局幹太の季帆に対する想いがよく分からなかったです。 けれど、人よりも少しできない子に対して何もやらなくていいと言うことは、その子に対しての思いやりでもあり、貶し、見下しにも感じられ、その子を縛っていることもあるのは、少し分かります。 七海も季帆も、これから頑張って欲しいなと思いました(*´˘`*)2022/04/21
星野流人
53
失恋して生きる気力を失ってしまった幹太と、そんな彼をストーカーしていた季帆による、恋物語。幹太が好きだった幼馴染の病弱な女の子、七海との関係性の描写が印象的でした。読んでいて自分が同じ立場であっても同じことになってしまいそうで、思わずハッとさせられました。幹太も季帆もそれぞれ人生が不器用で、そのせいで転んでしまって傷ついて、死にたくなってしまって。それでもそんなときにお互いがすぐそばにいたことは、とても素敵なことだなと思える物語でした。これからふたりの幸せな物語が続くと嬉しいですね2021/11/11
ひすい ☁︎**
39
題名に惹かれ購入☑︎ある出来事から生きる希望を失ってしまった「幹太」電車のホームの淵に立ったときに「死ぬ前に、私と付き合いませんか!」と見知らぬ美少女「季帆」が現れて…その出会いからの不思議な関係。「季帆」が「幹太」の前に現れた本当の理由とは。高校恋愛ストーリー。最初の頃の「幹太」が話が進むにつれて成長が感じられ、一途な気持ちは相手に伝わらないこともある。と共感する人もいると思います。「季帆」を見てると恋に前向きな明るい気持ちにさせてくれる…読んでいて青春を感じられた作品。2021/04/24
piro
38
献本当選本セット7作目。自分からはきっと手にする事のないジャンルの作品でした。中高生向きかな。オトナの私には読んでて小っ恥ずかしくなる程(笑)の青さ、甘さでした。季帆の強引且つ突拍子もない行動に「ドン引き」ですが、アイドルをキャスティングして映画化するのには良さそうなお話。「死にたい」が「生きたい」に変わるのは若さのパワーだなぁ。結末は想定通りでしたが、青春モノはこれでいい気がします。幹太くん、キミはきっと凄くいい男になるよ!2022/04/27
織葉
34
好きだなぁ、この本。基本的に「見るからに悲しい物語」であるものは避けるのだが、せっかく「やっぱり小説は面白い。2022」の対象本として当たったので読んでみることに。面白かった…。きれいに構成された設定は予想を超え、美しい文章は読みやすい。何より共感するところが多く、感情移入がしやすかった。作者さん初読。上手いな、と思った。それぞれの気持ちがわかるからこそ読んでいるこちらは胸が苦しくなるし、目が離せなくなる。さらっと読めるが確実に心に残る本。タイトルに覚えた若干の違和感は否めないが。携帯小説を侮るべからず。2022/03/17