内容説明
吉原遊廓の人気花魁・村雨は、厳しい表情で引手茶屋の座敷にいた。初回の客・越前屋又四郎の熱い視線が、座敷を盛り上げるはずの芸者・小染に向けられていたのだ。吉原屈指との呼び声は高いが、小染は芸が売り物の芸者。吉原の主役である遊女を差しおいて客と関係を持つのは御法度だった。が、男の想いに小染の心も揺れ始め…。恋に墜ちた吉原芸者が運命に身を焦がす表題作のほか、江戸の人々の息吹を伝える初文庫化作品集。
著者等紹介
南原幹雄[ナンバラミキオ]
1938年、東京生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。73年、「女絵地獄」で第21回小説現代新人賞、81年、『闇と影の百年戦争』で第2回吉川英治文学新人賞、97年、『銭五の海』で第17回日本文芸大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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