内容説明
高島城―。湖中に天守閣を屹立させ、諏訪の浮城と呼ばれるこの城郭には、家康の六男にして、かつての越後七十五万石の太守、松平忠輝が蟄居を命じられていた。伊達政宗の長女イロハ姫と婚姻し、人生の絶頂期にあった忠輝にとって、十四年前、徳川家から身に覚えのないまま突きつけられた勘当、流罪の処分は、あまりに厳しく残酷な人生の暗転であった。高島城から松平忠輝公を奪取せよ!幕府を震撼させた伊達政宗謀反の騒乱。その尖兵となって骨肉相食む死闘を繰り広げる忍者兄弟の苛烈な運命。長編時代活劇。
著者等紹介
南原幹雄[ナンバラミキオ]
1938年、東京生まれ。早稲田大学政治経済学部卒。『女絵地獄』で小説現代新人賞、『闇と影の百年戦争』で吉川英治文学新人賞を受賞、『銭五の海』で日本文芸大賞受賞
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