内容説明
関ヶ原の合戦より十一年が経った。上杉景勝の執政・直江兼続は徳川家覆滅の時をひそかに待ち続けていた。この年、家康は七十歳。幕府の基礎を着実に固め、宿願であった秀頼の伺候も果たした。だが直江は家康にも徐々に老衰が忍び寄っているのを見逃さなかった。その折も折、太閤遺臣の大物が相ついで急死した。自分の余命に焦りをおぼえた家康の陰謀か?豊臣家の存続もあやうい!だが今動くことはできない。十数年来あたためてきた未曽有の密計を達成するためには―。不世出の名参謀を描く雄渾の大型歴史小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
金吾
29
△完全なフィクションというか妄想に近くなり読みづらい状態な上に、ラストがビックリです。詔勅の考え方が明治以降の考えであり江戸時代初期にそのような効果はないだろうと思いました。2023/02/17
一郎
1
起承転結の「承」が延々続き、頁数にしてラスト1割でようやく「転」、畳み掛けるように「結」。 その結び方も唐突かつ強引なもので、これまで散々持ち上げられてきた謀将直江兼続が、こんなことに気が回せなかったのか、と思わざるをえない。 登場人物の伏線も消化不良気味。 ここまでのエピソードひとつひとつは面白かっただけに、かなり勿体なく感じた。2022/02/02
michan
1
上杉軍が徳川幕府を倒しそうだったけど、こういう結末だったのかとズッコケた。2015/04/15
尿酸値高杉晋作
0
ちょっとドラマチック過ぎたかな。 虚実のほどがよく分からない。
ゆみゆみ
0
兼続は倒幕後、どうするつもりだったのか?上杉家が天下を取るつもりだったのか?ただやみくもに『打倒徳川』の意志だけがクローズアップされていて、その後の計画について何も描かれていなかったのがなんとなく腑に落ちなかった。兼続ほどの人が後先を考えていないはずはないと思うのだけど。上巻に比べて下巻はあっけなかったけれど全体としては面白かった。2013/10/02