内容説明
株式会社ユーキの宝石鑑定士・伊藤木綿子のところへ専属デザイナー・白木美奈子が相談を持ちかけてきた。彼女がデザインした宝飾品に粗悪な石が混在していたらしい。しかも美奈子は木綿子の恋人塩野満の素姓まで訊ねてきた。塩野と美奈子の関係は。木綿子の胸に一抹の不安が…。数日後、美奈子が死体となって発見され、塩野も事件発生の翌日、木綿子に連絡を残して、消息を絶った。日蓮聖人のルポを依頼され、山梨県を訪れていた浅見光彦はこの怪事件に深く関わることに―。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
十六夜(いざよい)
9
株式会社ユーキの宝石鑑定士・伊藤木綿子のところへ専属デザイナー・白木美奈子が相談を持ちかけてきた。彼女がデザインした宝飾品に粗悪な石が混在していたらしい。しかも美奈子は木綿子の恋人塩野満の素姓まで訊ねてきた。塩野と美奈子の関係は。木綿子の胸に一抹の不安が…。数日後、美奈子が死体となって発見され、塩野も事件発生の翌日、木綿子に連絡を残して消息を絶った。日蓮聖人のルポを依頼され、山梨県を訪れていた浅見光彦はこの怪事件に深く関わることに―。2019/10/05
Kumisuke92
8
日蓮や法華経について勉強するための手始めとして、まずはこの簡単なミステリーから読み始めよう。上巻は、事件の背景情報的に日蓮の基礎知識が出てくる。現世を生きることを重視した日蓮は、来世の極楽浄土を信じようとする他の宗派を堕落として否定したため徹底的に弾圧された。最後の9年は諦めとともに自らが気に入った身延山にこもった。人徳ある求道家というより、自分の信じる正義のためには譲らず戦う宗教家、それが日蓮である。宗教家というイメージとは少し違うものの、その潔さに、ファンが多いのだろう。2016/01/01
森林・米・畑
7
山梨県、千葉県日蓮聖人に関わる土地での事件。
穀雨
5
山梨旅行の前に読むか後で読むか考えているうちに当日になってしまい、結局一ヶ月以上も経ってから読みはじめた。下部温泉には宿泊したものの、作品の舞台のひとつとなっている熊野神社は素通りしてしまったので、やはり前もって読んでおけばよかったと少し残念に思った。上下巻の大作ということもあって、ストーリーはいつにもまして複雑怪奇で、ほんとうに下巻ですべて決着がつくのだろうかと心配になった。2019/08/02
Kiyoshi Utsugi
5
内田康夫の「日蓮伝説殺人事件(上)」を読了しました。 山梨県甲府市にある株式会社ユーキの専属の宝石デザイナーである白木美奈子が身延町で殺されるところから始まります。 身延町は、日蓮上人が晩年の9年間を過ごした日蓮宗の総本山である身延山久遠寺のあるところとして知られています。 白木美奈子が殺された謎を同じ株式会社ユーキに務める宝石鑑定士である伊藤木綿子と一緒に浅見光彦が解き明かします。2019/04/06