内容説明
鉄鋼関係の会社に勤める中座啓一郎には二人の恋人がいた。ひとりは画商の千倉法子。啓一郎とは学生時代から関係が続いている。もうひとりはスナック・バーのママの田川薫。恋愛感情というよりも、彼女の肉体にひかれていた。そんな時、啓一郎は婦人雑誌の記者だという寺田麻美と知り合い、彼女にも魅了されてゆくが…。女たちの間で彷徨う男の恋愛模様を軽やかに描く。
感想・レビュー
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ミカママ
439
『旧約&新訳聖書を知っていますか』以来の阿刀田さん。冒頭ではウンザリするほどの主人公・啓一郎の反フェミニストぶりにキレそうになったが、これが(少なくとも当時の)男どもの一般的な立ち位置&見解なのだろうと。原典はバブル黎明期の日経新聞らしい。要は企業戦士たちへ向けたおとぎ話(もしくはハーレクインロマンス)。35にして独身である彼が、女を取っ替え引っ替え。心の中で各女性を比較するのが下劣で不愉快。こういう男が今、老成して女性差別発言をしたりするんだろうなぁ。 2021/02/11
tnyak
4
数十年ぶりだろうか。30代なかばあてりまで、愛読していたが、いつの間にか、縁遠くなっていた。うーん、微妙かな 下巻に期待しよう。 2024/06/24
ken-chang
1
既読2019/05/14
Megan
0
哲学的思想は面白いけれど、登場人物にはあまり共感できず、少し冗長に感じられた。80~90年代はじめのサラリーマン、時代の雰囲気を感じるにはいいかも。2016/11/12
光雲
0
この人のブラックユーモアの利いた短編集大好きでほとんど読みましたが、今回長編は初めて読みました。3人の女性と思いのまま付き合っていく独身男性の恋愛模様を花をテーマにして描いた作品です。阿刀田さん持ち味の洒落のある小話を存分にちりばめた内容で、半分エッセイを読んでいるような感覚でした。正直長編だとだらだら長く感じましたが(下巻もあることだし)軽く読み進められました。2012/06/30