内容説明
人間関係が織りなすさまざまな色彩、音色。それらが彩られ、心地よい音色が出るようになるまでの時間。著者が出逢った様々な人を通して描き、奏でる好エッセイ集。69編を収録。オリジナル文庫。
目次
男と女の距離について
美しい女について
フランダースの犬
温泉旅行
私と音楽
私の食事学あれこれ
マルグリット・デュラス『愛人』を読んで
不完全な空間がいい
名画より優雅で豪華な香港の夜景
緊張感について〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
そら
27
ちょうどバブルの頃、40代の絶頂期?の森瑤子さんのエッセイ。イギリス人の旦那さん、思春期〰成人くらいの3人の娘さん、仕事と家庭と旅行と夜遊びと、、社交的で、男友達とも遊びにいっちゃう。なんて羨ましい(ーー;)。バブル期独特の気取った男女関係が、今となってはなんか可笑しくて笑ってしまう。結婚しても夫に依存しないで自立すべきだ、だとか、40代の主婦が若い男と不倫してしまう心境とか、今も昔も同じかな~。2018/09/14
aoko
2
森さんが40代後半に差し掛かった頃のエッセイ集。森さんの美意識の高さと感性の鋭さがうかがえる。バブル期のせいか、いろいろゴージャスなのも良い。2020/03/23
かるた
0
最近森瑶子さんのエッセイを続けて読んでいるが、この本は特に生々しいというか、より作者の生活に密接した文章だったように思う。他ではモリヨーコという、物語の登場人物の話を美しい文体で綴られているイメージだったが、これは飢えとか飢餓感を訴え吼えている、独白のようなエッセイだった。2017/12/19