内容説明
わたしの夫は小説家だ。その彼が奇妙な頼みをしてきた。レイプさせてくれというのだ。その異常な体験をもとに、新作を書下したいという。願いどおりに、わたしは犯されてあげた。だがその時、わたしの頭の中でひらめくものがあった。ある自殺者についての新聞記事だった。わたしは夫に対して、ひとつの罠をしかけた。意表をつく構想とスリリングな展開で描く傑作サスペンス推理。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しろ
3
☆7 「主人公=犯人=被害者=探偵=裁判官=死刑執行人=告発者」というド派手な紹介で始まる色物系ミステリ。かと思いきや、しっかりとした倒叙ミステリでもある骨太な作品。一人何役系とはいえ、かなり広い意味でのソレだったとは思う。それでもやりきっているし、被害者と犯人への意識が同時に生まれた序盤のあの瞬間は面白い。実体験を大事にする作家の夫に「レイプさせてくれ」と頼まれたあの一夜からすべては変わった。犯行はずさんだけどミステリとしては優れていた一冊。2013/04/03
kanamori
0
☆☆★2011/10/16