角川文庫<br> 彗星物語〈下〉

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角川文庫
彗星物語〈下〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 252p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784041469095
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

文化の違い、慣習の違いは、ボラージュと家族との間に解決しようのない摩擦を生む。そして真由美の不倫、春雄の非行、幸一が家を出るなどと、いさかいは絶えない。いったんは離れ、しかし、また寄りそいあう家族。―だがやがて、ボラージュの巣立ちの日がやって来る…。家族のつながり、人の絆のありかに、柔らかな光をあてた名作長編。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

あつひめ

77
男も女も度量だよなぁと思わせられる展開。城田家の男も女も同じようなキャラはいない。みなどこか個性的。その個性的な家族の中にボーンと飛び込んできたのは留学生ばかりではなく、犬のフックが最初だったのかもしれない。家族の隙間を埋めるようなフック。そして異国の文化を含めたものの見方を家族みんなが身に付けたのかもしれない。どの国の言い分が正しい訳ではない。それは立ち位置が変われば考え方も変わる。それを受け入れることで見えなかったものが見える。小説のなかの家族なのに近所に居そうな家族物語。さすが宮本さん!!2013/11/03

えみ

55
相手を想う心が育む絆が美しい。読んで良かったと思う優しくて爽やかで温かな物語。宮本輝氏の描く世界観に揺蕩う幸せ。身を任せてどこまでも付いて行きたい。ハンガリーからの留学生、ポラーニ・ボラージュの帰還の日が迫って来た大家族・城田家。衝突と仲直りを繰り返しながら、自分達の居場所とアイデンティティを“守ることで手に入るモノ”“手放すことで成長できること”を理解し、自身に沁み込ませていく。外人だから考えが違う…そう思っていたが、絆は分かり合おうとする姿勢で結ばれる。人同士でも犬とでも、本当の家族になれると思った。2024/01/08

佐島楓

43
人の縁。家族の縁。笑ってしまう挿話も、泣いてしまう挿話も内包し、物語はゆるやかに進んでゆく。少年は大人への道を見つけ、歩み始める。そしてその真ん中には、犬のフックがいた・・・。なんとなく、しみじみと涙が出るような終わり方。こんな一家が、どこかにいるのかもしれない。2015/03/18

愛 飢男

24
大家族城田家に留学してきたハンガリー人とフックというワンコが取りなすホームドラマ小説。宮本輝さんの作風とは随分かけ離れたライトっぽい小説。 同様の小説で東京バンドワゴンがあったがこの小説の方がハンガリーの歴史や旧ソ連との関係などトッピングしていて軽い小説ながらも勉強になる。 おじいさんのハンガリー人の態度や考え方への説教が年齢が近いので凄く共感した。家族のあり方を再考させられる。読後感は爽やか。2016/01/10

ぬらりひょん

13
再読。ほんとにボラ助は生意気!それでも、勉強しすぎで死んだ人はいないからと言うくらい、寝る間も惜しんで勉強するボラ助にやっぱりすごいなぁと思う。ケニアやハンガリーからの留学生は国を背負って来てるんだなぁと。自分もそれぐらい勉強してればなあ・・・なんてね。恭太は今ごろ立派なドクターになって、国境なき医師団あたりで活躍してることと思います。2013/09/29

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