感想・レビュー
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saga
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【古書】直木賞創設の元となった早世の作家の代表作を読みたくて本書を探し出した。現在でも続く直木賞作品は世にあふれているのに、著者の本は古書でしか入手できない。閑話休題。薩摩藩主・斉興、その嫡男・斉彬、異母弟・久光というややこしい人間関係に、お由羅の呪詛疑惑が、藩内の騒動を生む。その騒動に巻き込まれ、運命が急転直下する仙波父母、兄姉妹が上巻の主役だろう。斉彬は我が子よりも藩の存亡を優先せざるを得ない立場。斉興派も斉彬派も振りかざす正義。正義とは何かという空しい課題を読者に突き付ける作品だった。2021/06/23
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