内容説明
伴門淘汰は、地中へと下降した。現実にはあり得ない階段をくだっている。やがて、地上の記憶すら遠くなりつつあった。この不思議な世界は皆、誰かの投影なのか、ひらひらの人間たちが漂っているだけである。歪んだ風景。そして、疑似夕陽―。過去と未来をかけめぐり、私たちを夢の磁場へと誘う。今、迷宮の扉が開く…。書下しSF幻想譚。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
三毛猫メリー
11
アニメを見たので原作を手に取る。wikiにアニメは原作とは違うと書かれてあったが、原作から感じるものをうまく映像化しているように思います。21-552021/06/29
白い駄洒落王
5
今、集中力がないので軽めの物を。いつもの眉村卓らしくない不思議な作品。なんなんだこれは。2013/06/01
おだまん
4
80年代のノスタルジー。アニメももう一度観たくなってしまったよ。2018/08/24
Kyoko
3
読了。さらさらと読みやすく、軽妙で、不思議な味わいのある文章。太陽や夜、風といった、誰もが理解し共有する概念に疑問符を突きつけられたとき、まさに迷宮に迷い込んだようなめまいを味わう。アニメ本編とは違う物語展開も、そういうものなのだ、だって迷宮だから、と頷くほかはない。さまざまな情景の中をさまよい、自分という概念が分解されたとき、作者は「でも、ここに来たのは君なんだよ」と突き放す。確かにそうだ。崖から落とされる、というよりも、ふわりと宙に浮かぶような感覚がした。2012/09/05
雑賀THE王
2
様々な短編が、 錯綜する。 タイトル通り、 読者を迷宮に誘うような物語。2017/12/04