角川文庫<br> 地の果ての獄〈上〉山田風太郎ベストコレクション

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角川文庫
地の果ての獄〈上〉山田風太郎ベストコレクション

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  • サイズ 文庫判/ページ数 352p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784041356685
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

北海道が一般の人にとって地の果ての島だった明治19年。薩摩出身の青年、有馬四郎助は月形の樺戸集治監の看守に着任した。そこは刑期12年以上の凶徒を集めた人間の運命の吹きだまりであった。正義感あふれる四郎助は、個性的な囚人たちが起こす奇怪な事件に厳しく対しようとする。だが、元与力のキリスト教教誨師・原胤昭との出会いがその運命を変え始め…。明治に生きる人々の姿をつぶさに拾い上げた圧巻の人間ドラマ。

著者等紹介

山田風太郎[ヤマダフウタロウ]
1922年兵庫県生まれ。東京医科大卒。47年「達磨峠の事件」で作家デビュー。49年「眠中の悪魔」「虚像淫楽」で探偵作家クラブ賞を受賞。その後、58年『甲賀忍法帖』を発表し忍法ブームに火を付けた。また、『警視庁草紙』『幻燈辻馬車』等で、開化小説にも新領域を開いた。2001年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Sam

53
山田風太郎の明治ものの一つ。読んでしまうのが惜しくて積んでおいたのだがついに手にした。いままで読んだどの作品も正真正銘の傑作であったが本作も例に漏れない。もっとも、舞台は東京ではなく「地の果て」北海道、登場人物も囚人や看守に教誨師と、かなり特異な舞台設定であって多少戸惑いつつ読み始めたもののそこはやっぱり山田風太郎、実に魅力的なキャラクターが次々と登場し、物語もエロスと悲哀と数奇な運命を存分に描いていて飽きさせることがない。登場人物たちの下巻での運命やいかに。2023/01/23

千本通り

12
著者の明治もの第3弾。有馬四郎助や原胤昭ら実在の人物を絡ませた短編連作。北海道の樺戸(かばと)集治監の囚人たちが語るエピソードをそれぞれ短編の物語にしている。著者のストーリーテラーとしての腕前の冴えが光る。2025/01/01

hutaro

11
有馬四郎助、北海道で看守に着任。四郎助が主人公なのだが、彼の存在が霞んでしまうほど個性的な登場人物が次から次へと。容赦なく囚人を撃ち殺す騎西看守長とかすっとぼけた感じの独休庵医師とか好き。囚人たちの身の上話がメインで、四郎助はキリスト教教誨師から渡された聖書もおざなり(一応囚人に読んで聞かせてはいる)な扱いだが、下巻で彼はきっと活躍してくれるのだろう。それにしてもキリストを妖術師と見立てた囚人の発想が面白い。言われてみればそうも思えてくる。風太郎先生お得意のエロス(強姦→和姦)もなかなか興奮。2019/07/22

キムチ

9
青年期の有馬が監獄の看守として樺戸に赴任し、人獣の境目が付かない様な人々の出会いが描かれる。後々、キリスト教へ帰依して行く種子がばらまかれている。 若かりし幸田露伴とか、実在の人物が盛り沢山に登場。文中やり取りは明治政府への恨み言ばかりのような気がし、よくあるといえばそれまでだが。 最近明治期が面白く、これ程までに野獣の群れが溢れていたのを感じ、圧巻。 しかし、その子孫がいや坂までにも出世し、犯罪に手を染め、ミリオネラーになっているか等・・と考えると人の人生はただただ街道の景色と感嘆するばかり。 2013/04/27

ぐうぐう

9
山田風太郎は忍法帖だけではない。明治ものも、得意とするジャンルである。『地の果ての獄』は、そんな明治もののひとつ。しかし、北海道の集治監を舞台にしているというので驚いた。着任した看守・有馬四郎助を主人公に、様々な囚人のエピソードが語られる本書だが、読み進めていくと、『警視庁草紙』『幻燈辻馬車』の続編的な流れを汲む物語であることがわかってくる。書いてきたものを繋ぎ合わせる、その壮大な構想力に、圧倒される。2012/08/06

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