内容説明
千年前の王朝時代。貴族文化の最盛期に登場する元祖プレイボーイ光源氏の君。様々な女たちとの恋、貴族の出世と没落、嫉妬と物の怪、無常観と死生観―。恋愛小説でも政治小説でもある「源氏物語」の全貌を人間の成長と運命の転変をキーワードにひもといていく田辺源氏。美しい四季を背景に浮きつ沈みつ流れゆく人生を“田辺ことば”でわかりやすく語り尽した絶好の源氏入門。「桐壷」から「松風」まで収録。
目次
京はるあき
王朝まんだら
光源氏の生いたち「桐壷」「帚木」
青春の恋と悲しみ「空蝉」「夕顔」
青春彷徨「若紫」「末摘花」
宴は果てず「紅葉賀」「花宴」
車争い「葵」
秋のわかれ「賢木」「花散里」
流人のあけくれ「須磨」「明石」
都へ―春たちかえる「澪標」「蓬生」「関屋」
明石のちい姫「絵合」「松風」
著者等紹介
田辺聖子[タナベセイコ]
1928年、大阪生まれ。樟蔭女専国文科卒。64年『感傷旅行』で芥川賞、87年『花衣ぬぐやまつわる…』で女流文学賞、93年『ひねくれ一茶』で吉川英治文学賞、94年菊池寛賞、98年『道頓堀の雨に別れて以来なり』で泉鏡花文学賞を受賞する。2000年文化功労者に。08年に文化勲章を受章(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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優希
74
源氏物語そのものではなく、キーワードで紐解く解説本といったところでしょうか。全貌をおせいさんならではのユーモアのある語り口調で語るので、源氏物語の雰囲気を味わうことができます。分かりやすい源氏物語の入門書と言えるでしょう。2018/07/31
kei302
47
光源氏本はいくつか読んだが、田辺聖子さんが書いたものが一番わかりやすい。いわゆる“須磨返り”“明石返り”、そのとおりです。私も何回チャレンジしてもヒカルくんが都に戻ったところまでしか読んでいないと思うたぶん。2023/12/12
ichi
18
【図書館本】『源氏物語』初心者向けの解説本。言葉遣いも紐解き方も、とてもわかりやすく、著者独自の感想も交えながら説明してあるので、理解しやすいです!2018/07/20
kotono
4
とても分かりやすく面白かったです。中巻,下巻も楽しみ。2014/02/25
レンコン
3
源氏物語をよく知らない読み手にも分かりやすいように、噛み砕いて柔らかい文体で語ってくださっています。原作に描かれていないやりとりや源氏たちの内に秘めた感情などを、作者が想像して補足してくれていたので、物語としてすっと入ってきました。2013/12/11