内容説明
健康診断を受けに来た病院で、山岡は水谷睦子に再会した。7年前睦子は12歳だった。少女が完全に女性に変っている。2人には、にがく照れくさい思い出があった。山岡は当時睦子の家庭教師をしていた。早く父を亡くし、母親がバーを経営していたので睦子は夜を1人で過ごした。あの年の7月14日、睦子が、アンネがあったことを告げ、山岡は求めに応じて、唇にキスをした。しかし、2人はのぞかれていた。そして2人の行為を見ていたことが殺人事件のアリバイの証明になったのである。―「許す目」より人間はいろいろ、目にまつわる、いろいろな事件簿。