内容説明
東京・銀座の瀟洒な施設「ヴィラ・エ・アロール」。「エ・アロール」とは、フランス語で「それがどうしたの」という意味。そこの経営者である来栖の「仕事や世間から解放された人々に、楽しく気ままに暮らしてもらおう」という方針から、施設には自由な雰囲気が溢れ、三角関係などの恋愛問題が絶えず起きるが…。「老い」の既成概念を打ち壊し、新たな生き方を示唆する衝撃作。
著者等紹介
渡辺淳一[ワタナベジュンイチ]
1933年北海道生まれ。札幌医科大学卒。70年『光と影』で第63回直木賞、80年『遠き落日』『長崎ロシア遊女館』で第14回吉川英治文学賞を受賞。2003年には紫綬褒章受章、菊池寛賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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チョコ
65
70歳近くなったらもう一度読もうかな。なんか、ギラギラした人達の話に辟易してしまった。読んだけど。最後の来栖院長のオチが笑えた。読むの20年早かったかな〜。2022/01/06
湖都
14
銀座の高級老人ホームを舞台とする、高齢者達の性愛の物語。恋愛模様や性の実態を院長先生の視点から描いているのだが、どこかコミカルでなぜか悲しく意外と明るい。高齢者達の恋愛・性愛というと某有名どんでん返し小説が頭に浮かぶのだが、あちらは私には何となく気持ち悪かった。こちらは時々「え」と思うものの、あっけらかんとしているし、皆年齢を重ねたなりの等身大で頑張ってるので応援したくなるのかもしれない。それにしても皆若い。私が彼らの歳になった時に、まだ異性に関心を持って争ったりアピールしたりできるか…自信がない。2019/03/01
抹茶モナカ
11
老人の性の問題を描いた作品。僕の祖父は、認知症で特別養護老人ホームに入居したけれど、この小説のような施設ではなくて、もっともっとミジメだった。統計資料まで持ち出して、老人の性に迫る著者の姿に圧倒されつつ、あまりに現実離れした施設に感じられ、鼻白む。2014/05/27
かんちゃん
6
1人渡辺淳一先生追悼読書第一弾。古本屋でたまたま目についたこの一冊。 老いてからの男女の性愛をストレートにここまでサラッと描けることが渡辺淳一先生の真骨頂なのでしょう。とかく日陰扱いされる性愛。特に老いてからの性愛ってどこか受け入れられない雰囲気が世の中にあるように思います。でも、老いてからも人間である以上性欲があっても当然だし、それを素直に表しても許される社会があってもイイですよね!それでは第二弾に行ってきます。2014/08/09
ゆ
2
たぶん再読。2022/04/17
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