角川文庫<br> 出世の首―ヴァーチャル短篇集

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角川文庫
出世の首―ヴァーチャル短篇集

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  • サイズ 文庫判/ページ数 358p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784041305287
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

人類は誕生と同時に「虚構」を生みだし始めた。原始の昔に口承された物語から、現代最先端のヴァーチャル・リアリティまで、それは我々の文明に寄り添うように今も確かに存在する。先史時代の洞窟、六歌仙のサロン、戦国時代の戦場、現代のTVスタジオ…著者もまた時空を超えて「虚構」を追い求めてきた。作家の個体進化をたどることで、人類文明の系統進化を仮想体験する稀有の作品集。

著者等紹介

筒井康隆[ツツイヤスタカ]
1934年大阪生まれ。同志社大学文学部卒業。主な作品に『虚人たち』(泉鏡花文学賞)『夢の木坂分岐点』(谷崎潤一郎賞)『朝のガスパール』(日本SF大賞)『ヨッパ谷への降下』(川端康成文学賞)『わたしのグランパ』(読売文学賞)などがある。近年は、映画、演劇、テレビドラマなどにも出演、役者としても活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

たぬ

33
☆4 筒井氏35冊目は12編収録のヴァーチャル短篇集。「桃太郎輪廻」「馬は土曜に蒼ざめる」「団欒の危機」がお気に入り。現実と虚構をここまでナチュラルに融合させるのはすごいね。明るいエログロも筒井御大のお家芸だしぶふっと吹き出してしまうような箇所もあちこちにあり(例:「空想の起源と進化」におけるギャートルズ)今回も愉快なひとときでした。2021/09/18

北風

33
全体的に悪のり度は低いけど、やはり面白いですねー。マイベストは「馬は土曜に蒼ざめる」と「廃塾令」です。人間の脳を競走馬に移植するって発想は何を食べたら思い付くんでしょうね…。筒井さんはお笑いでいう「天丼」をとにかく駆使して、不覚にも笑わされてしまいます。2016/02/01

saga

29
「既に所有している本に収録されている作品を集めたものは買わない」ことを著者の本を購入する時に一番気を付けていたのに、どういうわけか本書を購入してしまった。12の短編のうち、最近再読したものが3作品、これから再読するであろうものが6作品を占めた。角川文庫では本書のように初期の作品から集めた短編集を、独自の仕分けで再構築して刊行しており、読者の裾野が広がる切っ掛けになることを一愛読者として願うことにしよう。2016/12/17

すしな

17
138−21.一見ナンセンスのようにも見えますが、自分では思いもよらない部分まで考え尽くされている内容の短編集でした。何か問題があるともっともらしい解説でその事件の本質をわかったような気持ちになりますが、実際はテレビやメディアでは報道できない部分ってかなりの割合であるのでしょうし、そういう触れにくい部分もあっけらかんと描かれている壮大な思考実験みたいな本でした。2021/11/24

chacha子

16
筒井お得意の“虚構”に焦点を当てた短編集。頁を繰るうち、虚構は“こちら”へ侵食し、現実は下層・虚構へと沈みこむ。虚構という文字列の合間からこちらを見上げてくる確かな意志を持った眼差しの底知れなさ、これがメタフィクションの愉しみなのか。小説という虚構、テレビという虚構、現実という虚構。すべては筒井という虚構のうちで弄ばれている。2016/04/12

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