内容説明
プラス思考が大切だといわれている。しかし、人間は生まれた時から「死」を内包しているのだから、「病」こそ日常なのかもしれない。それが表に出てきた時、憎み、闘うことが最善の方法なのだろうか。傷みや病を退治するより、受け入れてみよう。すると、そこに全く新しい世界が開かれてくる。午後の光が射す喫茶店で、人生や世界について語る作家のやわらかな肉声がきこえてくるような珠玉のエッセイ、第三弾。ユーモアと深い思索にみちた超人気シリーズ最新作。
目次
1章 楽む
2章 軽く
3章 味う
4章 尽す
5章 堕る
6章 食う
7章 囃す
8章 闘う
9章 注ぐ
10章 許す
11章 悩む
12章 幸せ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ZEPPELIN
5
「人の記憶の容量は一定である」という五木さんのジョークが紹介されている。脳は一度記憶したことは忘れないともいわれるけれど、確かに実感としては少しずつ物覚えが悪くなってきたような気がする。受験で大量に詰め込んだ記憶はあっても、その知識なんてほぼ頭にない。その後、新しいことを随分覚えたにしても、どうも入った分と出ていった分の量がイコールではないような。しかも、どんどん頭が固くなってきているとも感じるし、このテーマだけで色々と反省してしまった2014/11/13
なつ
4
最後の『付・「対治」と「同治」について』に胸が締め付けられた。今回此処に書かれていたひとつのエピソードに「うぅー…」となった。知るということは本当にすごいな…と改めて思った。“そのこと”を知らない今日まではその選択を迫られる日がもし来たらわたしは迷わずただひとつの道を選ぶだろうと思っていたけど“そのこと”を知った今日からは選択肢がもうひとつ増えた。それが良いのかそうではないのかよく分からないけれど、今日知ったことが今後のわたしの『生きるヒント』のひとつになったということは言う間でもない、です。2015/05/18
ナウラガー_2012
3
土佐では昔男の子の名前に「馬」とか「虎」「熊」といった動物の名前を付けた.坂本竜馬もそう/「シンポジウム」ギリシア時代の本来の意は、飲み食いしながら活気あるおしゃべりを繰り広げる集いの事/哲学者・林達夫氏:樹木や植物は、土着の方が一強く逞しそうに見えるが、必ずそうではなく、他の場所に移植すると、より強く、より優れたものになるものの方が多い/オウム真理教科学技術部門担当の故・村井秀夫氏(大阪大学大学院~一流鉄鋼メーカー~オウム真理教)が最期に母親に手渡した書籍『かもめのジョナサン』だった2013/12/02
もっちりもちべぇ
3
軽く、尽くす、堕ちる、食う、許す、悩む。ネガティブからのプラス思考。日記の話が印象的。自分の日記も、殆どが許せない事について書いてある。許さない対象は自分、つまりは毎日の反省・後悔の日記でしたが。バランスを見直そうかなと思いました。忘れることも必要なんでしょうね。2012/04/30
kizmy
2
日々ストレスの多い世の中、「そんなたいしたことじゃない」って思えるのは大事だな。腹が立ったときにひらがなで考えるってのがよかった。私は半角のカタカナに変換して考えてみよう、きっと怒る気がしなくなりそう。2015/02/14