内容説明
美大を卒業したばかりの葉子は、憧れの葛山デザイン研究所に入所する。尊敬する鬼才、葛山の下で精一杯、勉強したかったからだ。が、不可解な葛山の言動から、彼の作品のオリジナリティに疑惑をもつ。真実を知りたいという熱い思いにかられ、葛山の周辺を次々に追及する葉子の前にあらわれた意外な真相とは―。常に斬新でなければならない一流デザイナーの苦悩を、華やかな業界を背景に描いた傑作サスペンスロマン。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
井戸端アンジェリか
13
全くね、松本清張に知らない事なんてあるのかしらんと思う。美術はお得意のようですが、若い女性の心の襞を上手く探るもんだわと感心したよアノ素敵な唇で。 で、ヒロシはどうした?まだ終わってないでしょ。2016/07/26
9分9厘
2
松本清張の現代でいうグラフィックアートの世界を舞台としたミステリー。さすがに40年前の作品とあってヒロインの言動や行動などに違和感を感じるけど、一気読みしたくなる筆力は流石です。世の中、正直に生きるって大変なことです。まったく嘘をたつかず清廉潔白に生きている人の方がよっぽど嘘っぽい。知られたくない秘密をもつことは犯罪ではないかぎり許して欲しいなあ。2022/08/09
mutenka
1
32022/06/19
じゃっきー
1
家にあった本。はっきりいつぐらいの年代の設定かはわからないが、出版されたのが昭和の終わり頃なので、その頃のお話かな?話し言葉の感じが古いなぁ。葉子が、葛山やヒロシのことを調べる際にも、今ほど個人情報の取り扱いにうるさくないからか、学校や企業が割と簡単に何でも教えてくれるのがおかしかった。松本清張は初めて読んだ。他の作品も読んでみたい。2017/02/26
さえきかずひこ
1
名著。脇役の佐久間の人物描写が心に残る。2012/12/08