角川ホラー文庫<br> をんごく

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角川ホラー文庫
をんごく

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  • サイズ 文庫判/ページ数 240p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784041171523
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

第43回横溝正史ミステリ&ホラー大賞 史上初の三冠受賞作!
嫁さんは、死んでもまだこの世にうろついているんだよ――

大正時代末期、大阪船場。画家の壮一郎は、妻倭子の死を受け入れられずにいた。
未練から巫女に降霊を頼んだがうまくいかず、「奥さんは普通の霊とは違う」と警告を受ける。
巫女の懸念は現実となり、壮一郎のもとに倭子が現われるが、その声や気配は歪なものであった。
倭子の霊について探る壮一郎は、顔のない存在「エリマキ」と出会う。
エリマキは死を自覚していない霊を喰って生きていると言い、
倭子の霊を狙うが、大勢の“何か”に阻まれてしまう。
壮一郎とエリマキは怪現象の謎を追ううち、忌まわしい事実に直面する――。

家に、死んだはずの妻がいる。
この世に留めるのは、未練か、呪いか。


選考委員満場一致、大絶賛!
第43回横溝正史ミステリ&ホラー大賞 史上初の三冠受賞作!


【目次】

第一幕 四天王寺樒口寄
第二幕 心斎橋紅襟巻
第三幕 鰻谷扇恋塚
第四幕 船場紅地獄廻唄
第五幕 信濃橋筆彩
解 説

内容説明

大正時代、大阪・船場。画家の壮一郎は妻・倭子の死を受け入れられず、口寄せ巫女のもとを訪れる。しかし降霊は失敗し、巫女は警告した。「奥さんな、去んではらへんかもしれへん―気をつけなはれな」白粉の匂い、気に入りの簪…小さな怪異と亡き妻の気配が家中に漂いはじめた頃、異形と化した倭子の霊が現れる。霊について探る最中、壮一郎はエリマキと呼ばれる顔のない存在と出会い、忌まわしい事実を知ることとなる―。

著者等紹介

北沢陶[キタザワトウ]
大阪府出身。イギリス・ニューカッスル大学大学院英文学・英語研究科修士課程修了。2023年、「をんごく」で第43回横溝正史ミステリ&ホラー大賞〈大賞〉〈読者賞〉〈カクヨム賞〉をトリプル受賞し、デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

あたびー

39
文庫になったので再読。直前に最新作「花檻の園」を読み、二つの世界の重なりなどを思った。本作は大正12年の大震災から。花檻…は大正14年。どちらも大阪の中心街。本作は北、花檻…は南である。2つを繋ぐものは両作に登場する巫女だけではない。方や撤去した三階、方や廃業した遊園地。方や人ならざる者エリマキの柄、方や姉の世話でいつも着ていた普段着の柄。髪飾りもある。そして先立つことで置いてきた人への執着。終章、展覧会を見に来た巫女は、ルナ・パークで蝶の髪飾りを折った後なのか、と推測。2026/07/28

16
読書記録55冊目(朝宮現代ホラー4/100) ホラーかと思いきや純愛。 節々で描写される壮一郎の倭子に対する想いに心を揺さぶられる。 大阪を舞台とした民俗学的なアプローチも見事だった。 キャラクターも特徴的で、特にエリマキついてはスピンオフも読んでみたい。 大阪弁の柔らかい雰囲気が心地よく、文体も好み。 とてもデビュー作とは思えない完成度に感嘆する。 追いかけたい作家さんが増えた。2026/06/21

冬野

15
作者さんデビュー作。長編は初読み。文庫で二百数十頁というのが信じがたいほど濃い内容。何といっても船場言葉と端正な筆致によって、大正時代の大阪を物語の中に再現しているのが素晴らしい。未舗装の道の土っぽい匂い、灯りの届かない闇の濃さ、雑踏の賑わい、それらが行間から立ちのぼる。短編でも感じたが歴史的な出来事を物語に組み込むのが巧い。ミステリのエッセンスも感じられ、蔵の奥で目撃したものや決着の場所などは非常に映像的でもあった。エリマキとの約束がたまらん。ほどよい怖さと、胸を衝くような切なさ。とても好き。星:5/52026/07/10

theth

14
記念すべき?今年読んだ本100冊目です。 とても鮮やかで美しい情景を想像してしまいました。 紛うことなきホラーなんですけど、夜市を読んだ時に感じたのと同じ気持ち。 最後の最後まで、とても良かったです!2026/07/21

芋猫

11
大阪の呉服屋に生まれた壮一郎は、家を出て東京で挿絵画家として生計を立てていた。やがて、幼い頃わずかに面識があった倭子と結婚したが、倭子は地震で負傷し、大阪に連れ帰るも命を落としてしまう。失意の壮一郎は口寄せ巫女に降霊を頼むが…という話。時代設定と大阪弁、降霊の儀式という要素から、古き良きじっとり怪談系の空気を纏いつつ、エンターテイメント性の高い展開が繰り広げられる。薄めの文庫ながら満足感が高い作品だった。死って怖いだけじゃないのよね。これでデビュー作というから、今後にも期待大!2026/07/07

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