角川文庫<br> 山羊の歌―中原中也詩集

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角川文庫
山羊の歌―中原中也詩集

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  • サイズ 文庫判/ページ数 252p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784041171028
  • NDC分類 911.56
  • Cコード C0192

内容説明

1923年(大正12)、郷里山口から京都へ。中原中也が詩人として出発したのは、16歳のときだった。ダダイズムに影響を受け、フランス象徴詩を学び、やがて東京へ。疾風怒涛の青春時代が続く中で、独自の抒情性と宇宙感覚が詩の中に結晶していく…本書には1934年に刊行された処女詩集『山羊の歌』全篇と、15歳のときの合同歌集『末黒野』に収録された全短歌を採録。さらに同時期の詩歌の中から代表作を精選し、中原中也が詩壇にデビューするまでの創作活動の全貌に迫る。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

新地学@児童書病発動中

131
第一詩集『山羊の歌』全編を収録。他に15歳の時の短歌なども収められている。詩の中に「空」という言葉が多く出てくることに気づいた。「み空」と書かれることもある。普通の生活に適応できない中也にとって、空は救いであり、自分の故郷のようなものだったのかもしれない。一方の極からもう一方の極へ激しく揺れ動くのがこの詩人の特長で、「サーカス」のような口語調の詩の次に、端正な文語調の「春の夜」が収録されている。詩の中で時々吐露される自分の生き方を問う表現が好きで、胸の中に深く染みこんでいった。2016/03/07

えみ

33
長年、詩歌との向き合い方が分からなかった。何を想い乍ら読めばよいのか…詩歌の、心の柔らかい部分を曝け出しているような無防備さに狼狽えてしまうというか、気恥ずかしいというか…。とにかく秘密を覗き見してしまった後ろめたさのようなものを感じ、詩歌に触れる度に居た堪れない気持ちになっていた。そんな私の考えを変えた一編の詩との出会い。それが、中原中也の『汚れつちまつた悲しみに…』。この詩に感銘を受け考え方が変わった。が、『サーカス』の「ゆあーん ゆよーん ゆやゆよん」で混濁。再び詩歌が分からなくなった思い出の一冊。2020/08/16

Kamal

26
【朝の歌/ #中原中也 】 “ひろごりて たひらかの空 土手づたひ 消えてゆくかな うつくしき さまざまの夢” 大正15年、日本が軍国に邁進する時期、中也が長谷川泰子と小林秀雄との三角関係にあった時期に書かれた、初期の詩。当時、中也の感じた喪失や倦怠感は私が今朝感じたものとはかけ離れているにせよ、親しみを覚える。朝とは本来爽快で心地よいものなのだ。たひらかの空に消えてゆくさまざまの夢。そうであったとしても、その夢が美しいという感覚が残る朝であったことが重要だと思う2022/10/22

12
「暗黒館の殺人」で気になっていた「昏睡」を読めたので良い本でした。「別離」も良かった。中原中也の詩は何処と無く寂しくて好きです。2021/04/01

テツ

6
初期の中原中也による詩集。詩の評価は作者の感性が自分と重なるかどうかが全てだと思うけれど、僕は太宰とのやり取りでも解る中也の気性の激しさの裏にある繊細さとユーモアが本当に好きだ。切なさも虚しさも全て言葉として吐き出したいという詩人が持つ欲求を、吐き出すにあたり自分の内面に言い訳することもなく誤魔化すこともなく行っている姿。こういう正直さとシンプルさは自分には皆無なのでとても憧れる。2014/07/01

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