出版社内容情報
吉原に住む遊女候補の少女・美登利。学内でも美人な彼女が気になるのは、寺の息子であり、いずれ僧侶となる身の上の信如という男子生徒だ。ある日美登利が信如を助けたことで他の生徒たちから冷やかされてしまい、噂になることを嫌って信如を避けるようになる。疎遠になった二人だが、美登利の家前に信如が現れて・・・・・・。
内容説明
吉原近くの町、大音寺前で暮らす少女・美登利。売れっ妓の姉を持ち、いずれ自身も遊女となる身の彼女は、一つ年上の寺の息子、信如にほのかな恋心を抱く。二人の距離が縮まる姿を囃し立てる周囲の目を嫌い、信如は美登利を邪険にし、美登利も信如を避けるようになる。ある雨の日、美登利は家の前で途方に暮れる信如を見つけ…。
著者等紹介
樋口一葉[ヒグチイチヨウ]
1872(明治5)年東京生まれ。歌人、小説家。86年に中島歌子の歌塾「萩の舎」に入門。父の死によって一家の生計を支えることとなり、91年には半井桃水に師事して小説を書き始める。貧困の中、94年の『大つごもり』以降独創的境地を開き、『にごりえ』『十三夜』『たけくらべ』等の傑作を発表。作家として花開くも、96年に肺結核のため満24歳の若さで逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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