出版社内容情報
利恵が結婚したとき、夫は専業主婦を望んでいた。彼は一流企業のサラリーマンで、利恵は小さな会社の事務職。それでも仕事はつづけさせてほしいと希望した。夫は不承不承認めたものの、その代わり「家事はいっさい手を抜かないこと」と約束させられる。利恵は職場でのキャリアなどいろんな犠牲を払いながら、その約束だけは守る。息子が生まれたあとも仕事はつづけるが、家事も子育ても、夫は一貫してなにひとつ手伝わなかった。息子は優しい子に育ち、大手電気通信会社に就職。同時に家を出てひとり暮らしをはじめる。何もかもが順調だが、利恵は夫とのアンバランスな関係に疑問を持ち始め、卒婚を提案し、1年間利恵は「猫目荘」で一人暮らしをすることになる。利恵が猫目荘を知るきっかけとなったマンガの著者・結芽との出会い、そして過去を背負って生きる新井と話すことで、妻や母になる前に自分が好きだったことを思い出していく。
【目次】
目次
第一章
第二章
第三章
第四章
第五章