出版社内容情報
代筆の依頼を受け福岡の某村に向かった作家。そこには死人の口に髪の毛を詰めて弔う風習があった。幽霊の存在に怯える住民たち、さらに奇妙な死体が出て……? 第44回横溝賞<読者賞>受賞作!
内容説明
幽霊作家の仕事のため出雲秋泰が訪ねた素封家の屋敷には、死者の口に毛髪を詰めるという奇妙な因習があった。折しも屋敷では身元不明の老人が髪の毛で首を吊る怪事件が発生、秋泰は死体の番をせよと裏山の番屋に閉じ込められる。翌朝、床を人毛が埋め尽くし、死体は別人に入れ替わっていた!これは怪異か人の悪意か、すべてを説明する推理は存在するのか?息もつかせぬ第44回横溝正史ミステリ&ホラー大賞“読者賞”受賞作。
著者等紹介
織部泰助[オリベタイスケ]
1990年生まれ、福岡市出身。西南学院大学法学部法律学科卒業。2024年、「死に髪の棲む家」(本書)で第44回横溝正史ミステリ&ホラー大賞“読者賞”を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yukaring
83
オカルト色強めの因習ホラーミステリ。よく行く本屋さんの店員さんがこの本を書かれたということで、お店に山積みで激押しされていたので早速購入。死者の口に髪を詰めるという奇妙な風習のある田舎の名家にやってきた作家の出雲。なぜか髪の毛で首を吊ったという老人の死体の『死に番』をさせられることに。寝ずの番のはずが眠ってしまい、目覚めると死体は別人に入れ替わり長い髪の毛が周囲を埋め尽くす事態に。屋敷に伝わる怪異の仕業なのか?少し詰め込みすぎでごちゃごちゃしてるのが残念だがキャラ強の登場人物たちの掛け合いも楽しかった。2024/10/29
aquamarine
65
仕事の依頼により作家・出雲秋泰が向かった祝部村には、死者の口に髪を一房詰める等、とても悍ましい因習があった。折しも依頼者の屋敷には身元不明の老人の怪死事件があり、彼は死体の番をすることに…。悍ましいとはいえ、まず起きるのが何重かの密室の中に現れた大量の髪の毛と死体の入れ替わりという怪異で、ホラーよりミステリの匂いを感じ夢中になった。探偵役の怪談師・無妙がいい味を出しているのも楽しい。とはいえ、ミステリ的解決があってもこの因習そのものと、これが出来上がった経緯はホラー以外の何物でもないだろう…。 2024/11/26
オフィーリア
53
死者の口に髪を詰め込む因習と屋敷に現れる長髪の幽霊による雰囲気のあるホラーから、密室や濃いキャラ達が次々現れ一気に本格ミステリに姿を変える。因習・怪談・妄執・フェチ・密室・多重推理、こんなの好きだろ?って要素を詰め込まれては大好きです!としか言えない。2025/01/28
キナコ
41
タイトル買いした一冊。売れていない作者がある村にすむ名家の自叙伝を作成するために招待される。そのなかで起こる不可思議な現象と殺人事件。民俗学×ホラー作品ではあるが、どんでん返しもあり。人の狂気がじわじわと伝わってくる作品。登場人物の名前がやや分かりにくいが、始めにの部分でふりがなもあるのが助かった。 後半にかけてのストーリー展開が、狂気の伝播であり、狂気から逃げようにも逃げられないかなしさもあったかな。2025/01/28
あたびー
41
一作上梓したのみで鳴かず飛ばずの作家出雲は、資産家の古翁である匳金蔵伝のゴーストライターとして匳家へ赴く。そこに待っていたのは不可解な殺人と、忌まわしい因習に沿って行われる通夜「死に番」を任されるというとんでもない役回りだった。これでもかこれでもかと不気味なホラー要素満載だがきっちり密室本格ミステリー。間取りや地図もついた親切構成。ゴスっ子怪談師、巨漢の刑事など登場人物も多彩。しかし複雑すぎて全然わかんなーーーい!!髪の毛が口に入るのはイヤです😫2024/12/13
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