出版社内容情報
湾岸に立つ「湊レジデンス」は普通のマンションだ。どこにでもいるような人が暮らし、どこにでもあるような生活を送っている――はずだった。学校では成績優秀な反面、夜な夜なひったくりを行っている中学生・望。自転車泥棒に制裁と称し暴行を働く弓矢。マンション内で乱れた関係を作る、弓矢の異母兄・充也。事故に遭い就職を失敗したフリーターの根岸。事情を抱える4人の行動が繋がる時、人間の悍ましい本性と残虐性が彼らに牙をむく――。錯綜する"衝動"と"本性"を描く、たった三日間の群像劇。
『ひと』小野寺史宜の、もう一つの顔を刮目せよ。衝撃の「黒小野寺」小説!
内容説明
湾岸に立つ「湊レジデンス」は普通のマンションだ。どこにでもいる人が暮らし、どこにでもある生活を送っている―はずだった。学校では成績優秀な反面、夜な夜なひったくりを行う中学生・望。自転車泥棒に正義と称し暴行を働く弓矢。マンション内で淫らな関係に耽る、弓矢の異母兄・充也。事故に遭い、就職活動を失敗したフリーターの根岸。彼らの因果が重なる時、最悪の絶望が生まれる…。衝撃の“黒小野寺”作品が登場!
著者等紹介
小野寺史宜[オノデラフミノリ]
1968年、千葉県生まれ。2006年「裏へ走り蹴り込め」で第86回オール讀物新人賞を受賞。08年、第3回ポプラ社小説大賞優秀賞受賞作の『ROCKER』で単行本デビュー。19年、『ひと』が本屋大賞2位に(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
yukaring
61
ブラック小野寺さん降臨。とにかく罪深き絶望の物語。心に溜め込んだ鬱憤が爆発寸前の人々。やたらとそんな人が多い「湊レジデンス」いやこのマンションこそが現代社会の縮図なのかもしれない。鬱憤が臨界点を越えた彼らの行動、そしてその運命が重なった先に迎える最悪とは…。一見すると普通の4人の若い男性。しかし夜な夜なひったくりを繰り返す中学生、正義を守るという大義名分のもと暴力をふるう少年、マンション内の女性と淫らな行為にふける大学生に事故にあって就職活動を失敗したフリーターの本心。こちらまで闇に飲み込まれそうな1冊。2025/02/02
カブ
34
なんだ、なんだ本当に小野寺史宜氏の作品なのか?!ブラック小野寺登場。2025/01/13
よっち
23
湾岸に立つ普通のマンション「湊レジデンス」。そこに住む4人の主人公たちの錯綜する衝動と本性を辛辣な視線で描いた群像劇。学校では成績優秀な反面、夜な夜なひったくりを行っている中学生・望。望の小学生の時の同級生で夜は自転車泥棒に暴行を働いている弓矢とマンション内で乱れた関係を作る異母兄・充也。直前に事故にあったことで就職活動に失敗したフリーターの根岸。閉塞した環境に絶望する彼らが、衝動的に自暴自棄な行動を繰り返していく様子はなかなか衝撃的で、これまでの著者さんのほかの作品とのギャップの大きさに驚かされました。2025/01/05
くまちゃん
14
小野寺さんを読むのは2作目だがこちらは異色らしい。湊レジデンスに住む4人の3日間の話だが、1人1人の視点から追っていくととても長く重い。ページ数が少ないながらも内容は面白かった。元からのファンの方は違うのかもしれないですね。2025/02/26
きょん
10
登場人物がみんなイヤな感じ。そのわりにみんな輪郭がボンヤリしたイメージ。こいつはこう配置してこいつとこいつを絡めて、、、みたいな、人物になんの思い入れもなく書き進めた感じの作品。訴えたいのは別のことなのだろう。しかしみんな割りきった、または人としての情とかもない、理屈も通じない人たち。これが現代の実相かもしれない。マンションってそんな人や人間関係の巣窟なのか。そうして考えると気持ち悪い。マンション住みだけど。2025/02/05
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