出版社内容情報
病気がちな母と暮らすジョバンニは、学校帰りに活版所で働いて家計を助けている。いじわるな級友から父の不在をからかわれ、つらい思いをする彼の気持ちを、親友のカムパネルラだけはわかってくれていた。祭りの夜、あらゆる星が輝く夜空の向こう側へと、二人は銀河鉄道に乗って旅に出る――。すべてがきらきらと輝く、かけがえのない物語。
内容説明
病気がちな母と暮らすジョバンニは、学校帰りに活版所で働いて家計を助けている。いじわるな級友から父の不在をからかわれ、つらい思いをする彼の気持ちを、親友のカムパネルラだけはわかってくれていた。祭りの夜、あらゆる星が輝く夜空の向こう側へと、二人は銀河鉄道に乗って旅に出る―。すべてがきらきらと輝く、かけがえのない物語。
著者等紹介
宮沢賢治[ミヤザワケンジ]
1896年、岩手県花巻生まれ。盛岡高等農林学校卒。農学校で教鞭を執るかたわら、意欲旺盛な創作活動をする。30歳の時に農学校を退職、独居生活に入る。羅須地人協会を設立、農民講座を開く。青年たちに農業を指導したが、肺を患って病臥した。1933年、肺病により死去。生前に詩集『春と修羅』、童話集『注文の多い料理店』を刊行。遺稿として発見された傑作が、死後多数発表された(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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アキ
96
はじまりの文章は、乳の流れたあとの川と云われた天の川The milky way。カンパネラは今で言うヤングケアラー。病気の母親に牛乳をもらいに出かける。ジョバンニとともに銀河を鉄道で旅するが、現実の世界に戻ると、彼は川に流され行方不明になっていた。南十字星のすぐ脇にある天の川中の暗黒星雲を、石炭袋、そらの孔と形容し、死の暗喩としている。最後の一文は、お母さんに牛乳を届けようとするところで終える。当時の天文学の最新の知識を用い、さまざまなメタファーを散りばめた空想小説の賢治の代表作。「よだかの星」も併載。2024/05/19
風地
17
宮沢賢治は国語の教科書でしか読んだことがありませんでした。銀河鉄道の夜、さびしいお話ですね。宝石や鉱石、星座の名前がたくさん出て来て、きらきら輝いてるのに、死の匂いがずっとしていてほんのりと怖かったです。この本にはよだかの星も収録されています。いづれも自己犠牲的な精神が感じられ、三浦綾子の塩狩峠を思い起こす内容でした。若く多感なときに読んだら、感じ方が違っただろうし、今の感じ方と比較できたのになと、残念にも思いました。2025/05/10
えつ
8
100分間で楽しむ名作小説シリーズ7作目!今作は宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」と「よだかの星」が収録。巻末には嬉しい注釈たちも。「銀河鉄道の夜」はいつ読んでも、感じ方が変わる気がする。まだまだ奥が深い。そして、やっぱりこの文字の大きさとゆったり目の行間が読みやすい。ありがたい。2024/09/21
ごま麦茶
6
大好きな『銀河鉄道の夜』。100分間で楽しむ、という事で、どんな感じなんだろう?と手に取りました。『よだかの星』も収録されているのが嬉しい。気持ち字が大きめ?で読みやすいような感じがしました。100分間で、なんですが、噛み締めるようにじっくり読みました。久しぶりなせいか、改めて描写の美しさにうっとり。やはり好きだなぁ。何が、とは言いにくいんだけど。じんわりしみ込んでくる感じ。しあわせってなんだろう?どこまでもどこまでも行けるはずだから、自分のいちばんのしあわせを探して生きたい。2024/04/09
しっぽ
3
銀河鉄道の夜は読んだことなかったのかな。よだかの星は国語の授業でやった記憶がある。確か仲間はずれは良くない的なまとめだったような。どちらの話も哀しい印象。まじめに生きても、思うような人生があるわけではない。相手を変えることができない以上、何を許容し、何を求めるのか。昔の小説は読者の考察の余地が大きくて難しい。2025/04/23