出版社内容情報
道沢一番という名前は、「何事にも一番になれるように」という父の願いで付けられた。
重荷に感じたこともあったが、父には感謝している。「男らしく生きろ」という父の期待に応えることで一番の人生はうまくいってきたからだ。
しかし二年の交際を経て恋人の千凪にプロポーズしたところ、彼女の返事は「好きだけど、愛したことは一度もない」だった――。
千凪はアロマンティック・アセクシャル(他人に恋愛感情も性的欲求も抱くことがない性質)で、長年、恋愛ができないが故に「普通」の人生を送れないことに悩み、もがいていたのだった。
千凪への思いを捨てられない一番と、普通になりたい千凪。恋愛感情では結ばれない二人にとっての愛の形とは。
内容説明
道沢一番という名前は「何事にも一番になれるように」と父が付けた。父の期待に応えることで一番の人生はうまくいってきたのだが、恋人の千凪にプロポーズしたとき、「好きだけど、愛したことは一度もない」との返事に一番はショックを受ける。千凪はアロマンティック・アセクシャル(恋愛感情も性的欲求も抱くことがない性質)で、ずっと「普通」になろうともがいてきたのだった。思いを断ち切れない一番と普通になりたい千凪は、そのまま結婚することを選ぶのだが―。
著者等紹介
君嶋彼方[キミジマカナタ]
1989年生まれ。東京都出身。「水平線は回転する」で2021年、第12回小説野性時代新人賞を受賞。同作を改題した『君の顔では泣けない』でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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