出版社内容情報
フィールドワークで災難や殺人事件に遭遇する民俗学者が存在するのか? 蓮杖那智の助手・内藤三國は、毎度の無理難題、考察に翻弄され疲弊する日々。東北地方の山奥に佇む石仏の真の目的。死と破壊の神が変貌を繰り返すに至る理由。海幸彦・山幸彦の伝説と死者の胃の中の曲玉の関係。即身仏がなぜ塞の神として祀られたのかを巡る謎。孤高の民俗学者が奇妙な事件に挑む5篇を収録。連作短篇の名手が放つ本格民俗学ミステリ!
内容説明
フィールドワークで災難や殺人事件に遭遇する民俗学者が存在するのか?蓮丈那智の助手・内藤三國は、毎度の無理難題、考察に翻弄され疲弊する日々。東北地方の山奥に佇む石仏の真の目的。死と破壊の神が変貌を繰り返すに至る理由。海幸彦・山幸彦の伝説と死者の胃の中の曲玉の関係。即身仏がなぜ塞の神として祀られたのかを巡る謎。孤高の民俗学者が奇妙な事件に挑む5篇を収録。連作短篇の名手が放つ本格民俗学ミステリ!
著者等紹介
北森鴻[キタモリコウ]
1961年山口県生まれ。95年に『狂乱廿四孝』で第6回鮎川哲也賞を受賞しデビュー。99年短編連作『花の下にて春死なむ』で第52回日本推理作家協会賞(短編および連作短編集部門)を受賞。2010年1月逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yukaring
66
民族学者・蓮丈那智の民族学ミステリ第2弾。いつもはフィールドワークで事件に遭遇する那智と助手の三國だが今回は地元で起こる事件に巻き込まれていく。那智の授業を受けていた女子学生の不可解な焼死や学内にあるカルトサークルの不審死、そしてなんと気絶させられた那智が同業者の死体とともに車の中で発見される事件まで発生。事件の根底にある山奥の石仏や飲み込まれた勾玉、即身仏の祠などのディティールが面白く興味深い。そして相棒として頼りない三國をサポートする教務部のあの人も登場。民族学とミステリとのバランスが程よいシリーズ。2024/07/15
ま~くん
26
全国各地に残る伝承を現地に赴き調査。その度に事件に遭遇する蓮丈那智と助手の三國。今回面白かったのは「御蔭講」。わらしべ伝説にまつわる話だったが印象に残るフレーズが。「日本人は熱狂の頂点に立つアイドルを作るとほぼ同時に、その人物をいかにどん底に突き落とすかを策謀する民族である。言うならば、アイドルは貶められるために作られているんだ」。日本人は何事も中庸で感情を表に出したがらない人が多いと思っていた。でも日々のニュースを見ていると確かにかつての有名人が一度躓くと徹底的に叩きのめされる現実。大谷翔平、ご無事で。2025/01/18
ひさか
25
小説新潮2001年3月号大黒闇、6月号死満瓊、10月号触身仏、2002年2月号御蔭講、8月号秘供養、の6つの連作短編を2002年8月新潮社刊。2005年8月新潮文庫化。加筆修正し、法月綸太郎さんの解説を付けて2024年4月角川文庫化。民俗学ばかりでなく、前巻と同様に警察が登場する事件が絡むところが、少し残念。民俗学ネタだけのチョイスもあっただろうに…。ラストで登場する新しい助手の佐江由美子はレギュラーになるのだろうか。これが気になる。2024/06/30
geshi
22
民俗学+ミステリの短編集だけどミステリのクオリティーにバラつきがあるのがシリーズとしての難点。『秘供養』五百羅漢の考察と犯人の偽装との繫がりが実に巧い。更にもう一つの真相を用意する完成度。『大黒闇』宗教活動サークルは完全にオウム真理教。ミステリとしては知識ワンアイデア。『死満瓊』動機あるから犯人?殺害方法は証拠残さない?ツッコミどころ多すぎ。『触身仏』ミステリ要素必要かなぁ。即身仏の謎とカモフラージュだけで良かったような。『御蔭講』新キャラ参加とわらしべ長者という題材の身近さに比べて真相の残酷さたるや。2025/02/23
ぶんぶん
22
【図書館】蓮杖那智シリーズ、第2弾! このコンビが良い味を出している、いよいよ、登場の「狐目」人物、思ったより鋭い感性にビックリ。 今回は、フィールドワーク中、大腿部の複雑骨折とか、死体と一緒に24時間後に発見されたり、難儀が降りかかる。 東敬大学の付近で事件が勃発する。 埼玉県警の佐久間刑事が、ちょっと気になる。 それと、狐目の総務課の男が三国に助言を与えるのが的を得ていて、良いパートナーだと感じる。 そして、謎の女性「佐江由美子」が登場する。 ますます、面白くなりそうです。2024/11/04