出版社内容情報
街の路地裏で夜から朝にかけてオープンする“キッチン常夜灯”。チェーン系レストラン店長のみもざにとって、昼間の戦闘モードをオフにし、素の自分に戻れる大切な場所だ。店の常連になってから不眠症も怖くない。農夫風ポタージュ、赤ワインと楽しむシャルキトリー、ご褒美の仔羊料理、アップルパイなど心から食べたい物だけ味わう至福の時間。寡黙なシェフが作る一皿は、疲れた心をほぐして、明日への元気をくれる――共感と美味しさ溢れる温かな物語。
内容説明
街の路地裏で夜から朝にかけてオープンする「キッチン常夜灯」。チェーン系レストラン店長のみもざにとって、昼間の戦闘モードをオフにし、素の自分に戻れる大切な場所だ。店の常連になってから不眠症も怖くない。農夫風ポタージュ、白ワインと楽しむシャルキュトリー、アップルパイなど心から食べたい物だけ味わう至福。寡黙なシェフが作る一皿は、疲れた心をほぐして、明日への元気をくれる―共感と美味しさ溢れる温かな物語。
著者等紹介
長月天音[ナガツキアマネ]
1977年新潟県生まれ。飲食店勤務経験が長い。2018年『ほどなく、お別れです』で第19回小学館文庫小説賞を受賞し、デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Karl Heintz Schneider
218
東京は文京区、水道橋駅から少し歩いて住宅街の片隅に店を構えるキッチン常夜灯。営業時間は夜9時から朝7時まで、今夜も眠れない人や終電を逃した人が訪れる。ホッとする笑顔のソムリエ・堤千花(つつみちか)無口だが料理は絶品のシェフ・城崎恵(きのさきけい)。おいしそうなフランス料理もさることながら二人の温かい気遣いが嬉しい。近所にこんな店があったら通っちゃうだろうな。ありきたりなプロットでありながら巧みな文章力でいつの間にか引き込まれている。やっぱり好きだなこの人の文章。「ほどなく、お別れです。」の続編出ないかな。2023/12/06
Kazuko Ohta
203
主人公の勤める店が“キッチン常夜灯”だと思い込んで読みはじめたものだから、30頁ほど進んでからその思い込みに気づいて「おおっ」。私はひとりごはんもひとり飲みも大好きです。行きつけのお店で誰かと話したいとかではなく、単純に美味しいものを食べて飲みたいだけなんですけれど。飲みながら本を読むのも最高だし。そんな風な、どんな使い方もできそうな常夜灯。弟を癌で亡くした身としては、第5話だけは少し感傷的すぎて苦手だったものの、みもざの勤務先での話も心に刺さる。きっといいところは前からあった。そこを見る自分でありたい。2025/03/05
はにこ
153
こういう隠れ家的なお店、あこがれるなぁ。後楽園の近くってのも良いねぇ。仕事にいっぱいいっぱいの中、火事にまであって住処を失うみもざさん。疲れているのに真夜中のレストランに立ち寄る体力があるのはすごいwでも、ここでの人との出会いで自らの生活が変わっていくのがよいね。2024/12/12
おしゃべりメガネ
130
街の路地裏にひっそりと夜から朝にかけて営業する『キッチン常夜灯』。そこには、それぞれに色んな思い、悩みを抱えた常連が集うちょっと不思議な空間です。チェーン系列のレストラン店長「みもざ」は女性という立場からも、かなり悪戦苦闘しています。そんな彼女がふらりと立ち寄ったこの不思議なレストランで、ホールの「堤」さん、シェフの「ケイ」さんと少しずつ親交を深めていきます。このレストランで食べる様々な料理で、疲れたココロも着実に癒され、また明日頑張ろうという気になれる主人公の姿にこちらもエールを送りたくなりますね。2025/06/24
シナモン
122
外での自分を脱ぎ捨て、素の自分に戻れる場所「キッチン常夜灯」。いつもギリギリで働いてるみもざがここにたどり着いて本当に良かった。人生の悲喜こもごもにそっと寄りそう料理はどれも優しくて美味しそう。やっぱり食べることって大事だな。読みやすいし、元気をもらえる一冊でした。たまに新潟を思わせる文章があるなーと思ったら長月さん、新潟県出身なのですね。他の作品も読んでみたいです。2024/01/14