未明の砦

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  • サイズ 46判/ページ数 616p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784041139806
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

その日、共謀罪による初めての容疑者が逮捕されようとしていた。動いたのは警視庁組織犯罪対策部。標的は、大手自動車メーカー〈ユシマ〉の若い非正規工員・矢上達也、脇隼人、秋山宏典、泉原順平。四人は完璧な監視下にあり、身柄確保は確実と思われた。ところが突如発生した火災の混乱に乗じて四人は逃亡する。誰かが彼らに警察の動きを伝えたのだ。所轄の刑事・薮下は、この逮捕劇には裏があると読んで独自に捜査を開始。一方、散り散りに逃亡した四人は、ひとつの場所を目指していた。千葉県の笛ヶ浜にある〈夏の家〉だ。そこで過ごした夏期休暇こそが、すべての発端だった――。

自分の生きる社会はもちろん、自分の人生も自分で思うようにはできない。見知らぬ多くの人々の行為や思惑が作用し合って現実が動いていく。だからこそ、それぞれが最善を尽くすほかないのだ。共謀罪始動の真相を追う薮下。この国をもはや沈みゆく船と考え、超法規的な手段で一変させようと試みるキャリア官僚。心を病んだ小学生時代の友人を見舞っては、噛み合わない会話を続ける日夏康章。怒りと欲望、信頼と打算、野心と矜持。それぞれの思いが交錯する。逃亡のさなか、四人が決意した最後の実力行使の手段とは――。
最注目作家・太田愛が描く、瑞々しくも切実な希望と成長の社会派青春群像劇。

内容説明

大手自動車メーカー「ユシマ」の工場で働く四人の非正規工員は、夏休みのある出来事を契機に大きくその人生の軌道を変える。そして冬、彼らは共謀罪の初の標的となる。逃亡のさなか、四人が決意した最後の実力行使の手段とは―。共謀罪始動の真相を追う刑事、この国を超法規的な手段で一変させようと試みるキャリア官僚。怒りと欲望、信頼と打算、野心と矜持。それぞれの思いが交錯する。最注目作家・太田愛が描く、瑞々しくも切実な希望と成長の社会派青春群像劇。

著者等紹介

太田愛[オオタアイ]
香川県生まれ。「相棒」「TRICK2」などの刑事ドラマやサスペンスドラマの脚本を手がけ、2012年、『犯罪者 クリミナル』で小説家デビュー。13年には第2作『幻夏』を発表。日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)候補になる。20年刊行の『彼らは世界にはなればなれに立っている』で第4回山中賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

イアン

396
★★★★★★★★☆☆労働問題を扱った太田愛の社会派長編。王手自動車メーカー「ユシマ」の非正規作業員・矢上らは、同じ工場で働く玄羽に誘われ笛ヶ浜でひと夏を過ごす。そこでの出来事が彼らの運命を大きく変えるとも知らずに…。冒頭の逃走劇は上質なミステリを予感させるが、物語の本質はそこにはない。現在日本が抱える歪な労働体系や大企業と癒着する政治・メディア。それらに対する憤りこそ著者が伝えたかった想いなのだろう。「歯車」の意地を感じる良作だが、フィクションと割り切って映像化するには、あまりに問題を深く抉り過ぎている。2023/10/16

hirokun

324
★4 600ページを超える長編でしたが、あまり大きく間延びすることもなく読み切りました。過去からの労働法制の推移、時々の財界、占領軍の対共産主義対策、企業の労働環境についてもこの作品から学ぶことが出来、ぜひ若い労働者の人たちにも読んでほしいと思いました。最近の流れとして、この作品にはあまり触れられていませんでしたが、外国人労働者の受け入れ問題も今後の労働状況に大きな影響を与えると思います。又、定年延長と絡めて、年功序列から職務給、ジョブ型採用への移行も労働者にとって大きな影響を与えることと思います。2023/10/07

道楽モン

281
インドの娯楽映画は観て楽しませるだけではなく、一般庶民や貧民に倫理や道徳を伝える役割も担っている。観ているとさりげなくメッセージを受け取れるのだ。太田愛の新作は、まさに小説版インド映画。エンタメの中に、熱いメッセージが込められている。搾取され使い捨てにされる非正規雇用の工場従業員4人衆が主人公で、思考停止から目覚めて、自ら知識を吸収して変身する姿が感動的。新自由主義、政治、憲法、などに無関心である若者に是非読んで欲しい。太田愛作品に外れは無いけれど、本作は格別。教養小説の収穫。脇役も良い。2023/08/07

のぶ

257
とても読み応えのある群像劇だった。大手自動車メーカー〈ユシマ〉の若い矢上達也、脇隼人、秋山宏典、泉原順平の4人を中心にした物語。彼らは皆、日々を生きていくだけで精一杯の非正規雇用の労働者。自分達のおかれた状況が、政治家や大企業幹部の都合の良いルールにより作り出されたかを知る。それは現在の日本の社会問題そのものであり、小説の中だけの話とは思えないリアルさが伝わってくる。話の本筋は、その若者達が大企業に一見無謀に思える闘いを挑むが、企業からの妨害に加えて公安にも狙われる。読後には不思議な爽やかさを感じた。2023/08/23

KAZOO

241
太田さんの最新作です。太田さんは「相棒」シリーズの脚本を書かれていた時から反権力的な作品を書かれてきましたが、これもその作品と同系列です。最近はストライキ(先日久しぶりに西武そごうが行いましたが)などという言葉も縁遠くなってさらに労働者という認識も少なくなってきていますが、ここでは期間工、派遣工という人物を主人公にしています。その他にエリート警察官僚、政治家が出てきたりして楽しませてくれます。映像化されるといいですね。2023/10/18

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