幽民奇聞

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  • サイズ 46判/ページ数 288p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784041137239
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

明治新政府軍の来襲で家族や友人を失った二本松藩の少年タキは、人並外れた強さをもつ怪しげな「キ」と名乗る一団に窮地を救われ、秋姫という目の見えない老女の家に匿われることになる。理不尽な命令ばかりする秋姫と衝突してばかりのタキだったが、やがて奇妙な絆が生まれ始める。だが、政府軍の魔の手が再び迫り……(「鬼婆図探訪」)。その他、人語を話す大猿が書いた幻の書「狒々日記」をめぐる回想と証言を描く「夢狒々考」、争乱と復讐に満ちたとあるキの激動の半生「最後のキ」など全四編を収録。若き民俗学者・鶯谷玄也が、文明開化と共に姿を消した歴史の闇に生きる集団「キ」の痕跡を追う連作集。


【目次】

鬼婆図探訪
夢狒々考
最後のキ
すすき野原の先で

内容説明

文明開化で姿を消した鬼とも妖怪ともいわれる超常の集団「キ」。民俗学者の鴬谷玄也は、各地に伝わるキの痕跡を追ううち、不可思議な物語と数奇な因縁を知ることになる。『鬼婆図探訪』幕末の戦乱で全てを失った少年は、未来視の老女と出会う。『夢狒々考』人語を話す大猿が書いた幻の書「狒々日記」をめぐる回想と証言。『最後のキ』とあるキが激動の半生を語る。争乱と復讐の果てに残ったものは。

著者等紹介

恒川光太郎[ツネカワコウタロウ]
1973年東京都生まれ。2005年、「夜市」で日本ホラー小説大賞を受賞。同作を収録した単行本はデビュー作にして直木賞候補に。続く『雷の季節の終わりに』と『草祭』『金色の獣、彼方に向かう』(角川文庫版は『異神千夜』に改題)は山本周五郎賞候補、『秋の牢獄』『金色機械』は吉川英治文学新人賞候補、『滅びの園』は山田風太郎賞候補となる。14年『金色機械』で日本推理作家協会賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

starbro

211
恒川 光太郎は、新作中心に読んでいる作家です。 本書は、文明開化と共に姿を消した歴史の闇に生きる集団「キ」の痕跡を追う幻想譚連作短編集、鬼の様で鬼でない、結局「キ」って何なんでしょうね❓ https://www.kadokawa.co.jp/product/322301001079/2026/04/04

hiace9000

143
「キ」の道は鬼道にして奇道。文明開化で幕開ける明治の世、その時代の変化と共に歴史の闇に消えた「キ」という集団があったという。痕跡を辿り奇聞を集める若き民俗学者・鶯谷玄也。全国を巡り各地に遺る奇譚・文書にあたり続け、行き着いた末に見えた真実とはー。夢幻的情景、「潰え終わりゆく者」に漂う寂寥感滲む描写…幽玄たる奇譚語りこそ、やはり恒川さんの本領発揮の本舞台。数奇なる奇縁に吸い寄せられるミステリー展開とも相まって、四章で構成する作品世界へと読み手を引き込み、やがて完全に取り込む。圧巻の恒川筆力にただただ酔う。2026/04/04

はにこ

129
現か幻か。狒々や鬼女、「キ」について調査をする鶯谷と武田。ただの言い伝えとは思えないような不思議な世界に引き込まれた。実際に江戸時代や明治くらいまであったのかもしれないと思わされる。伝承とかって、神秘的で魅力的。恒川ワールド全開で最高だった。特に「キ」と民俗学者がつながった時には、ゾクッ。最高です!2026/03/16

ちょろこ

120
夢か現かのような一冊。四篇からなる連作短編集は歴史の影で暗躍した謎の集団「キ」の真の姿を追い求めるかのようなストーリー。序盤から早々に物語に手招きされ、そこから一気に赤とグレーが混じり合うような恒川カラーの世界にすっぽり包まれたよう。幕末の世、二本松少年隊の少年タキを軸に明治新政府軍に倒れた歴史の一幕を描いた「鬼婆図探訪」がタキの揺れる心情といい良かった。「キ」という集団の、地に足つかないような描き方もまさに夢と現の淡いを感じ好き。ほんのり残る一抹の淋しさ。やっぱり恒川ワールドは和テイストがしっくりくる。2026/04/18

しんたろー

119
恒川さん最新作は伝承の怪異を描いた時代もの…民俗学者・鶯谷を核にした短編集だが最終話で全ての話が繋がり、読後は長編を堪能したような味わい。古くから日本で身を潜めて暮らしている「キ」という存在がいた事が段々と判る内容が「そういう者たちが今でもいるのだろうなぁ」と思わされ、一種のロマンを感じた。全編に渡り著者らしい哀愁が色濃く漂い、何度か瞼が熱くなるシーンもあった(特に終盤にあるカシワの独白には心惹かれた)。恒川さん作品の中では良い意味で少々毛色が違うようにも感じられ、その幅広さと巧みな筆致に今更ながら感嘆。2026/03/25

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