出版社内容情報
京都府警に持ち込まれた傷害致死事件。引きこもりの大学生が、異様な姿で死亡した。伏見署に連行された母親は「娘の身体を突き破って悪魔が出てくる」と興奮気味に話し、供述は要を得ない。夫の事故死をきっかけに彼女がのめり込んでいた新興宗教は、「悪魔祓い」と称して、信者に加虐的な扱いをすることもあったという。遺体の状況から、母親の虐待を疑う京都府警は、検屍と司法解剖を千夏に依頼するが……(「エクソシズム」)。京都市北区の河川敷で、首のない遺体が発見される。被害者は刺青があり、小指も欠損していることから、暴力団関係者とみなされるが、身元はわからない。激しい暴行を加えられた後、首を切断するほどの動機とは一体何なのか? 現場に駆け付けた検視官の都倉は、何かしっくりしないものを感じながらも、何が違和感なのかわからない。司法解剖を担当した千夏の見解を聞くうち、都倉はあることに気づく。(「梟首」)など、4話を収録。
内容説明
研ぎ澄まされた観察眼と卓越した指先を持つ法医解剖医・加賀谷千夏。「娘に悪魔が取り憑いた」と訴える母の言葉を裏付けるように皮膚の下で蠢く何か、刺青のある首無し死体の不自然さ、同じ場所で発見された凍結死体と腐爛死体―。京都府警の依頼で司法解剖に臨む千夏は、屈強な刑事もたじろぐ異状死体に隠された意外な死の真相を見抜いていく。現役の解剖技官である著者が、圧倒的な臨場感とリアリティで放つ法医学ミステリ!
著者等紹介
小松亜由美[コマツアユミ]
秋田県大仙市生まれ。東北大学医療技術短期大学部衛生技術学科を卒業し、臨床検査技師免許取得。現在、某大学医学部法医学教室にて解剖技官を務め、これまで多くの異状死体の解剖に携わる。『誰そ彼の殺人』(幻冬舎)でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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