出版社内容情報
松岡 圭祐[マツオカ ケイスケ]
著・文・その他
内容説明
都内で改造ガスガンを使った殺人事件が発生。被害者ふたりのうちひとりの胸の上に芥川龍之介の『桃太郎』が小冊子風に綴じられて置かれていた。これまで文学に関わる難事件を解決してきた李奈は、刑事の要請で今回も捜査に協力することに。一方で本業の小説執筆ははかばかしくなかった。加えて母の愛美が三重から上京。気持ちが落ち着かずにいた。謎めいた事件と停滞気味の自分。李奈はこの2つの問題を乗り越えられるか!?
著者等紹介
松岡圭祐[マツオカケイスケ]
1968年12月3日、愛知県生まれ。デビュー作『催眠』がミリオンセラーに。大藪春彦賞候補作『千里眼』シリーズは累計628万部を超える人気作となった。「万能鑑定士Q」シリーズは2014年に映画化され、さらにブックウォーカー大賞2014文芸賞を受賞、17年には吉川英治文庫賞候補作となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
53
都内で改造ガスガンを使った殺人事件が発生。これまで文学に関わる難事件を解決してきた李奈は、刑事の要請で今回も捜査に協力する一方、心配する彼女の母が三重から上京する第五弾。被害者2人のうち1人の胸の上に小冊子に綴じられて置かれていた芥川龍之介の「桃太郎」。謎めいた事件と停滞気味の作家業、新興宗教まがいの会社も加わる中で、母親のプレッシャーも感じながらの事件捜査の結末はわりと意外な印象もありましたけど、李奈もいろいろと成長している部分があって、懸案だった母親との関係もちゃんといい感じにまとまって良かったです。2022/10/11
Yunemo
52
シンデレラから桃太郎ですか、著者は芥川。ルーツをたどる文学論はさておいて、まずは母愛美の存在感が一番。李奈の言う母親とは違った展開で。でも李奈の主観から言うとそういうことに。自身も親に対しての感情は同じもの。自身の子に同じようにできるか疑問。本作の動機が最後まで見えなかったモヤモヤ感。この意味で登場人物が選定されたのだな、との想いが残り。莉子の言う、物理的証拠ばかりでなく心理面をおろそかにしてはならない。人の行動は内面が決める。確かにね。手がかりは物理的な紙のごみ、でもこれで内面の動機が判明したのだから。2022/08/31
たか
50
シリーズ第6作。都内南品川7丁目の住宅街で殺人事件が発生、被害者の胸の上に芥川龍之介の「桃太郎」が置かれていた。生活道路を挟み向かいには光り輝く異様な建造物の会社「愛友心望」の施設があり、朝礼の騒音が住民とのトラブルになっていた。李奈は文学の関わる事件の為捜査協力する事に。一方で小説執筆は行き詰まり、確執のある母が上京し心が乱れる。「桃太郎」に見立てた複数の事件を文学の論理で読み解けるか。 芥川龍之介版「桃太郎」「猿蟹合戦」に隠された解釈は興味深い。親子をテーマに李奈の成長も見られる。 ★★★✩✩ 3.02022/12/08
coolgang1957
49
前巻で鑑定士が出てくるならいっそビブリアの栞子さんも登場せんかな、弔堂でもええよーと…作家さんの交流も知らないのに妄想が一人走っております😅時代も違うのにねー。もう松岡圭祐さんは衒学癖が過ぎます(と、知らない語彙が出てくると教養もないのに使いたがりますね💦)/ま、これ書いてるおっさんは社会に特に影響なさそうなので、〝誤読〟は恐れません、思ったことレビューしていってます。ただハラスメントや差別には気をつけながら🤨2024/04/10
坂城 弥生
42
芥川龍之介って桃太郎書いてたんだ!とビックリ。2022/12/23