出版社内容情報
広告代理店「八千代アドバンス」は、経営悪化により、会社を解散し清算することが決まる。制作部の畑井伸一は、総務部長に任命され、経験のない会社解散の手続きを担当することに。そんな中、負債の返済用資金二億円が元社員と共に消えてしまう。虎の子の二億円の行方を捜す畑井の前に次々と巻き起こるトラブル。金を取り戻し、八千代アドバンスの秘密を“清算”することはできるのか?
内容説明
広告代理店「八千代アドバンス」は、経営悪化により、会社を解散し清算することが決まる。制作部の畑井伸一は、総務部長に任命され、経験のない会社解散の手続きを担当することに。そんな中、負債の返済用資金二億円が元社員と共に消えてしまう。二億円の行方を捜す畑井の前に巻き起こるトラブル。金を取り戻し、八千代アドバンスの秘密を“清算”することはできるのか?
著者等紹介
伊岡瞬[イオカシュン]
1960年東京都生まれ。広告会社勤務を経て、2005年『いつか、虹の向こうへ』で第25回横溝正史ミステリ大賞とテレビ東京賞をW受賞しデビュー。16年『代償』で啓文堂書店文庫大賞を獲得し、同書は50万部を超えるベストセラーとなる。19年『悪寒』で再び啓文堂書店文庫大賞を、20年『痣』で徳間文庫大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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akky本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
イアン
165
★★★★★★☆☆☆☆企業小説×ミステリな伊岡瞬の長編。所属する広告代理店の「解散」に伴い、清算業務に従事することとなった畑井。限られた人員で対応にあたる中、清算資金2億円が入った通帳が紛失し――。失踪した経理担当者、元社員同士による刃傷トラブル。巨額の清算金の裏に見え隠れする驚くべき真実とは。序盤は上層部に翻弄される中間管理職の悲哀を描き、通帳紛失から俄然ミステリ色を増していくが、どちらも中途半端な印象を拭えなかった。ラスト1行、この日、この時刻に畑井に空を見上げさせた伊岡瞬の意図はどこにあったのだろう。2025/04/17
いつでも母さん
153
これは伊岡さん?って感じの長編作品だった。とにかく畑井が良い人過ぎる!そして、畑井夫婦が素敵。会社を清算するって大変なのね・・「―まったく、どいつもこいつも」何度か出てくる言葉だが、畑井の気持ちが伝わる虚しさと可笑しさだなぁ。最後まで読んだけれど、正直言って私はいつもの(?)伊岡作品が好きだ。2023/12/20
ma-bo
108
新聞社の子会社、広告代理店の「八千代アドバンス」は経営悪化により会社を解散する事が決まる。制作部の畑井は、畑違い(主人公の名前にかけてる?)の総務部長に任命され解散後の清算業務をする事に。解散にともなう苦労が中心の流れかと思ったが、負債の返済用資金2億円が入った通帳が消え、元社員が刺殺されたりと思わぬ方向に。途中間延び感があり読み進めにくい所がありつつも、真相が明かされ、畑井はその奥にある深い真相に気づく。最後のシーン。畑井が空を見上げた3月11日午後2時40分過ぎは東日本大震災が起こる直前↓2024/02/25
hirokun
108
★4 任意解散による清算業務の大変さについて、いささかなりとも理解できたように思う。推理小説とお仕事小説を兼ね合わせた作品であるが、背景として臓器移植に関する医療政策への問題提起も含んでいるのか?大変興味深く読ませてもらったが、世の中は自分の事のみを考えて生きている人だけではなく、まじめに、正直に、勤勉に仕事に取り組んでいる人も少なからず存在し、その人たちによって生活が成り立っているという当たり前のことを再認識させられた様な気がする。2023/12/27
タイ子
95
会社が無くなる、そんな事態に直面したのが広告代理店「八千代アドバンス」の制作部に勤務する畑井。いやいや、そんな寝耳に水の話を突然言われても…。畑井はこれまで経験のない総務部部長に異動、清算業務をすることに。暫くの間、社内では内密に動くことに。意が痛くなるような任命を受ける。そんな中、金庫の中の通帳と印鑑が消えた。残高2億円、負債の返済用資金なのにどこに?同時に社員が消えた。誰もが疑心暗鬼の中、次々に現れる真実。小心者の畑井を支える妻の存在がいい。総じてものすごく面白いかと問われたら…うーん、まあまあ。2024/04/10
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