出版社内容情報
「組織で生きる者の矜恃」
オール書き下ろし新作
次世代ミステリー作家たちの警察小説アンソロジー
「孤狼の血」スピンオフ、「刑事犬養」シリーズ新作収録
収録作
葉真中顕 「上級国民」 刑事事件化されなかった交通事故に隠された真実
中山七里 「許されざる者」 東京オリンピックの裏で起きた悲劇
呉勝浩 「Vに捧げる行進」 街で頻出する落書き犯の驚愕の意図
深町秋生 「クローゼット」 バディを組む上野署の刑事が抱える秘密
下村敦史 「見えない刃」 性犯罪の捜査に乗り出した女刑事が見たもの
長浦京 「シスター・レイ」 半グレたちのトラブルに巻き込まれた謎の女
柚月裕子 「聖」 ヤクザに憧れ事務所に出入りする少年が目指すもの
内容説明
刑事事件化されなかった交通事故に隠された真実(「上級国民」)。東京オリンピックの裏で起きた悲劇(「許されざる者」)。街で頻出する落書き犯の驚愕の意図(「Vに捧げる行進」)。バディを組む上野署の刑事が抱える秘密(「クローゼット」)。性犯罪の捜査に乗り出した女刑事が見たもの(「見えない刃」)。半グレたちのトラブルに巻き込まれた謎の女(「シスター・レイ」)。ヤクザに憧れ事務所に出入りする少年が目指すもの(「聖(あきら)」)。大注目のミステリー作家たちの豪華な警察小説アンソロジー。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いつでも母さん
201
7人の作家の書き下ろしアンソロジー!どれも期待通りのワクワク感でこのままシリーズ化になって続きが読みたい話ばかりだった。ザックリ私の心を試されるような葉真中さん、中山さん、下村さん。絶対にその後が知りたい深町さんに柚月さん。何とも言えぬ怖さを感じた呉さんに、シスター強すぎて笑ってしまった長浦さん。いろんな警官がいた。あぁ、幸せな読書だったが、次はもう少し長いのを読みたい。どこまでも我儘な読者です私。2022/01/11
まちゃ
179
7人のミステリー作家による警察小説アンソロジー。警察小説と一口に言っても作家さんによって色々な切り口があるものですね。人気作家の競演を楽しめました。自分の好みは、葉真中さん「上級国民」、下村さん「見えない刃」、柚月さん「聖」。分かりやすい刑事ものが好き、ってことですかね。2022/01/29
モルク
164
7人の警察小説名手の作家さんによるアンソロジー。葉真中顕氏「上級国民」死亡事故の加害者は現知事の甥で次期県知事候補。公安刑事が知った真相は。深町秋生氏「クローゼット」えーっ?この題名ってそんな意味があるの?一歩前進した萩野刑事、頑張れ!長浦京氏「シスターレイ」予備校教師の玲の本当の姿が格好いい!柚月裕子氏「聖」は「孤狼の血」のスピンオフかな。どの作品もその作家さんらしさに溢れ堪能できた。2022/08/26
ひさか
163
2021年12月角川刊。書き下ろし。葉真中顕:上級国民、中山七里:許されざる者、呉勝浩:Vに捧げる行進、深町秋生:クローゼット、下村敦史:見えない刃、長浦京:シスター・レイ、柚月裕子:聖、の7編の豪華な警察小説アンソロジー。葉真中さんのどんでん返しが面白い。中山さんは、刑事犬養シリーズらしいが奮わず。深町さんジェンダーテーマだが警察小説には珍しい展開が興味深い。長浦さんの元フランス特殊部隊にいたシスターレイの活躍が凄くて楽しい。柚月さんの希望のある話が心地良い。聖が警察官になるストーリーが読んでみたい。2022/04/24
ノンケ女医長
158
警察小説の短編集。「上級国民」と「聖」の2作品がお気に入り。「聖」は、不遇な家庭環境に生まれてしまった。本人は何も、悪くない。出自を恨む気持ちは痛いほど良く分かる。その気持ちはどんどん大きくなるばかりで、勘の鋭い男に気づかれてしまった。聖が、その男性と出会うことがなかったら、極悪の道を選んでいたんだろうな。翻意し、例え親への気持ちがどうあれ、警察官を目指すと決めた覚悟はとても清々しかった。彼のような生育環境から警察官になった人は多いと思うし、応援もしたくなった。2022/11/05