出版社内容情報
山村 正夫[ヤマムラ マサオ]
著・文・その他
内容説明
大手食品メーカーの社長、淡路剛造が自宅で殺害された。現場は密室。事件発生前、自宅の周囲で謎の白装束の男が目撃され、遺体の近くにはミイラ化した人間の指が残されていた。淡路家と関わりのある大学教授助手、滝連太郎は友人の警部と共に事件を追い始める。しかし捜査線上に、被害者の故郷で起きたある母娘の失踪事件が浮かび上がり…。溢れだす知識と連鎖する謎が見事に融合した、角川小説賞受賞の名作ミステリ長編!
著者等紹介
山村正夫[ヤマムラマサオ]
1931年大阪府生まれ。49年「二重密室の謎」でデビュー。77年、『わが懐旧的探偵作家論』で日本推理作家協会賞、80年、『湯殿山麓呪い村』で角川小説賞を受賞。日本推理作家協会理事長、日本ペンクラブ理事などを歴任。83年からはエンターテイメント小説作法教室で講義し、多くの作家を育成。怪奇幻想小説や謎解き小説、伝奇ミステリを多数執筆。99年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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やも
81
正統派で真面目なホラーミステリーってカンジ。東京でお遍路さんの幻を見た成田さん。さらには幽海上人(180年前に即身仏になった人)を名乗る怪電話…。投げ込まれたミイラの指…。東京で起きた密室殺人がどうやら出羽三山と関わりがあるらしい。誰の恨み?なんのために😰?面白かったんだけど、所々でちょっと信仰心が強くて…だってミイラとかさ…ミイラになるまでの経緯とかさ…え、私こんな歴史があった所で暮らしてるの🥲?どこまで本当🥲?おどろおどろしいオーラが終始ぷんぷん🥲知ってる地名出てきたのは面白かった!★3.52022/07/12
goro@80.7
43
湯殿山が舞台となるのはラスト近く。木乃伊の話はよく分かった。2023/04/24
のびすけ
24
角川映画全盛期に映画化された本作。新装版の発行を期に読んでみた。出羽三山の即身仏信仰と、湯殿山麓の寺に封印された僧侶のミイラ。現代の東京で起きた殺人事件、謎の白装束の男、ミイラの指。事件に関わる人たちの複雑な人間関係と、33年前のある事件…。怪しげな物語の背景と不気味さの演出は期待どおり。ただ、物語の大半は事件が起きた東京だったのが少し残念といえば残念。舞台が湯殿山麓に移ってからの第二の事件、ミイラの発掘調査、謎解きと意外な犯人、悲しい結末までの怒涛の展開はなかなかの読み応えだった。2022/05/10
mahiro
21
山深く閉ざされた山岳信仰の村の殺人事件…と思ったが事件の起きたのは東京で少しがっかり、読んでみると最近の作ではなく結構昔の作品だった。高度経済成長になり始めの昭和時代、成り上がり富豪の食品会社社長の殺人事件、それに即身成仏の仏の村の因縁などが絡み、古い香りで一杯だったがなかなか面白かった。でも登場人物達が類型的であまり魅力がなく、ご都合主義的な偶然の出会いもあり…という感じでした。しかし出羽三山は心をつかむ神秘的な場所だし、即身成仏の上人様も昔拝観した事があり、題名に釣られてしまいました。2022/01/07
ドットジェピー
6
面白かったです2021/12/25