出版社内容情報
許すのは5回まで。次は即リセット――。理想の環境を求めるその男は、自らの基準にそぐわない人間や動物を殺しては、別の土地で新たな人生を始める「リセット」を繰り返していた。
一方、フリープログラマーの相川譲治は、シングルマザーの姉親子の失踪に気付く。姉と同居していたはずの男の行方を追うが……。
デジタル社会に警鐘を鳴らすシリアルキラーが誕生! 第41回横溝正史ミステリ&ホラー大賞〈読者賞〉受賞作。
内容説明
許すのは5回まで。次は即リセット―。理想の環境を求めるその男は、自らの基準にそぐわない人間や動物を殺しては、別の土地で新たな人生を始める「リセット」を繰り返していた。一方、フリープログラマーの相川譲治は、シングルマザーの姉親子の失踪に気付く。姉と同居していたはずの男の行方を追うが…。デジタル社会に警鐘を鳴らすシリアルキラーが誕生!第41回横溝正史ミステリ&ホラー大賞“読者賞”受賞作。
著者等紹介
秋津朗[アキツロウ]
1960年兵庫県生まれ。現在ソフトウェア会社勤務。2021年、『デジタルリセット』(応募時タイトル「デジタル的蝉式リセット」)で第41回横溝正史ミステリ&ホラー大賞“読者賞”を受賞し、デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ざるこ
53
自宅から持参した本がいまいちで地元の書店に走り平積みされてたこちらを。初耳作家だけど夜中までかかって一気に読めました。シリアルキラーの幼少時の体験に始まる。こういうことが心に深い傷を残すのだなとやるせない気持ちにはなるが。大人になり自身の理想にそぐわないと殺人を犯す形式ばった犯行がまるで作業のようで異常。本文は犯行も追跡も同時進行だから結末を知りたいばかりに頁が進む。登場人物も個性的で緊張感もあり夢中になったがラストの展開はちょっとがっかり。リアルに読んでたのに駆け足だし一気にフィクションになった気が。2022/01/05
スカラベ
50
自らの基準に合わなければリセットし、次の顔、家族を手に入れてはまたリセットを繰り返す。単純作業かのように殺人を重ねる主人公の行動には全く共感はできないが、現代社会では1つのトラウマが引き金になってこんな人格が醸成されるってことは起こり得ると思わされる。AIもそうかもしれないが、人をデジタルに評価することの是非が今後問われてくるのかもしれない。ラストは唐突に意外な展開が待ち受ける。「氷山の一角」という言葉が思い浮かんだ。文章は読みやすい。ところどころに差し込まれるデジタル的な描写がなんだか詩的に感じた。2022/01/16
あっちゃん
33
最初は魅力を感じないシリアルキラーに遅い読書ペースだったけど、彼の行方を追う被害者の弟が現れて俄然良くなった(笑)そして、思いもよらないラスト!ナルホドこれが横溝正史ミステリ&ホラー大賞読者賞受賞作か( ̄▽ ̄)2022/03/20
アルカリオン
19
第41回横溝正史ミステリ&ホラー大賞〈読者賞〉受賞作。ページをめくる手が止まらず、時間を忘れて読んだ。一方で、仮に自分が選考委員だとすると、この作品を「大賞」に推すのは躊躇するだろう。内容や文章が、というのではなく書き手の思考がラノベっぽいというか安易というか。ただ、いい意味でもラノベっぽく、読者を引き付ける力は強い。良くも悪くも「読者賞」にふさわしい作品。かなり面白かったが、再読はしないかな。2022/03/09
さといも
16
面白かったです。5つ理想と違ったら全てを消してやり直す男。理想通りにうまく行くなんてそうそうあるか!と思いながら読むが、犯人側からの描写があまりないので、感情が感じられず、機械みたいな印象を受ける。それが狙いなのだろうが。 最後にそっちかぁと意外に思う終わり方だが、それも良く考えると怖かったりもして…2022/01/13
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