出版社内容情報
ドラマ化で話題騒然! 大人気民俗学ミステリ、決意と絆が深まる第7弾!
内容説明
青和大の女子学生が高槻と尚哉の元へ相談に訪れた。友達とエレベーターで「異世界に行く方法」を試した翌日、うち1人が行方不明になったという。心当たりを尋ねると彼女の声は歪み―。ほか、遠山からの依頼で栃木の山奥へ赴いた2人。沼の埋め立て工事中に不審な出来事が相次ぎ、困っているという。沼には「ヌシ」が棲むという伝承もあるらしく!?―「君は、消えたら駄目だよ」「先生こそ」異界に魅入られた凸凹コンビの民俗学ミステリ!
著者等紹介
澤村御影[サワムラミカゲ]
神奈川県横浜市出身。女性。2016年に第2回角川文庫キャラクター小説大賞“大賞”を受賞した『憧れの作家は人間じゃありませんでした』でデビュー。同作はシリーズ化され、1~3巻を数える。他の著作に2021年に実写ドラマ化された「准教授・高槻彰良の推察」シリーズがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ひさか
161
2022年3月角川文庫刊。書き下ろし。シリーズ7作目。通算8作目。違う世界へ行く方法、沼のヌシ、人魚の肉、の3つの連作短編。不死身の紗絵さんの登場が興味深く面白かった。まだまだ続きそうな予感…。2022/08/25
mariya926
148
エレベーターで異界に行く話も、ヌシがいるという沼も、人魚を食べるレストランも、ミステリー的によく出来ていると思いました。異界の話のように見えて、事件絡みが多い印象です。そこらへんの塩梅が上手いです。一番異界だったのが、紗絵の過去の出来事でした。軽く約束しているように見せて、その約束を握って現実を生きている高槻先生が弄らしく、尚哉と同じ境遇でも猫を溺愛している遠山さんや、少しずつ現実の世界でも楽しめるようになってきた尚哉など、これからどうなっていくのかが楽しみです。2022/04/20
ちょろこ
140
シリーズ7の一冊。今回はせつなさが印象に残った巻だった。第一章「違う世界へ行く方法」は大学生が抱える自分の居場所作り、ままならない現実との怪異の絡め方が胸を打つ。第二章「沼のヌシ」の民俗学は興味深く読みながらも、せつなさが、随所での言葉がしんみり沁み渡る。遠山さんとアキラ先生の生き方の対比をじっくり考える尚哉。彼はどんな道を選ぶのかな。夜空の瞳の出没頻度が増えてきたのが不安。アキラ先生も尚哉もほんと、どこにも行かないで欲しい。良いな〜、大切な人達との約束を守るって。約束、まだまだいっぱい増やして欲しい。2022/04/26
はにこ
120
尚哉の保護者感がどんどん増すこのシリーズ。高槻先生、一人じゃ生きていけないよね。きっとモテるだろうけど、背中のこともあるし夜は無理かななんて下世話なことを考えてしまうw難波くんとの友情関係も良き。最後の人魚の肉の話はちょっとしたホラーよりよっぽど怖い。2022/10/09
ぽんすけ
115
今回はホラー色は薄目でミステリー要素の方が多かった。沼のヌシ様の話はかわいそうだったな。この話で久しぶりにお気に入りキャラ遠山さんが登場。影があってシニカルな感じも若干してて、尚哉と同じ嘘を聞き分ける耳に悩まされる大人の男性。話の中から推察するに境遇的には尚哉よりずっと深い孤独感の中で生きてる人だと思う。尚哉が難波と話してる所を見て、ともすれば同じ境遇にあって、なんでお前にだけ周りに人がいるんだと嫉妬してもおかしくないくらい孤独なはずなのに、「君には友人がいたんだな」と喜んでくれた所で更に好感度アップ。2022/10/17