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出版社内容情報
隼人と春希と姫子は共に月野瀬村に帰省した。沙紀や従弟の心太と一緒に田舎の夏休みを堪能する。一途に隼人に思いを寄せる沙紀の姿を間近に見ていた春希は、自分の笑顔が作り物めいて感じられて……。
内容説明
隼人と姫子と共に、春希は久しぶりに月野瀬へと帰省した。虫捕りに水遊び、バーベキュー。田舎でしか楽しめない遊びを目一杯満喫しながら、もう1人の幼馴染・沙紀とどんどん距離を縮めていく。陰日向なく働き、損得なく誰かのために一生懸命になれる少女。きっと今の「隼人」がいるのは、沙紀が傍にいたからだ。彼女の中に秘められた純粋な気持ちを知れば知るほど、春希の胸は痛いくらいに跳ねて…。「ボクが男の子だったら好きになってたんだろうなぁ。なら隼人も…」春希の大切な「相棒」を好きな、特別な「友達」。でも心の奥では隠し切れない気持ちが育っていく、青春ラブコメ第4巻!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
芳樹
45
【BW】隼人と姫子の故郷・月野瀬を舞台にした、春希ともう1人の幼馴染み・沙紀の物語でした。特に牧歌的な月野瀬の情景描写が素晴らしく、青い空と緑に溢れた大地の肯綮がありありと目に浮かんできました。雲雀湯さんの深い郷里愛によるものなのでしょう。今回、どんどん絆を深めていく春希と沙紀ですが、互いが互いに影響し合って本当の気持ちを引き出していくという展開にグッとくるものがありました。最後の急展開に、彼らの生活はさらに賑やかなものになっていくに違いないと感じました。続きが楽しみです。2022/04/04
オセロ
37
夏休みになり、月野瀬に帰省した隼人達。沙紀と彼女の弟の心太を交えて東京では出来ないセミ採り、川遊び、そしてBBQを満喫する一方で、明らかになるはるきが春希になるまでの過去はなかなかキツいものでした。 そんな春希の化けの皮を剥がす為に沙紀が正面からぶつかったり、隼人にとって沙紀が大切な人なんだと春希が感じたりと、互いの存在が大切なものだと確かめ合う展開はグッとくるものがあって、そして何よりラストは意外な幕引きで、続きが楽しみです。2022/04/04
よっち
32
隼人・姫子と一緒に月野瀬村に帰省した春希。沙紀や従弟の心太と一緒に田舎の夏休みを堪能する彼女が、一途に隼人に思いを寄せる沙紀に気づく第四弾。不安を抱えながらの帰省で隼人兄妹と同様に歓迎される春希、沙紀の従弟の心太と意気投合して満喫する田舎暮らし、そして一緒に生活するうちに気づいてしまう献身的な沙紀の思い。比べて自信を失いかけて迷走する春希に向き合ってくれたみんなの想いは、彼女の心にもしっかり響いたみたいですね。エピローグでは思ってもみなかった急展開が待っていましたけど、ここからどうなるか続巻が楽しみです。2022/04/01
わゆ
20
隼人・春希・姫子達の故郷、月野瀬でのストーリー。作者様の得意分野なのであろう、まるで音が匂いに包まれそうな田舎風景の描写が生き生きと描かれる。そしてそんな環境の中で、今までほぼ絡みが無かったもう1人の幼馴染、沙紀と、彼女の隼人を想う真っすぐな気持ちが、恋愛模様にこれまでにない色を付けていく。そして当然、春希も自分の過去ともぶつかり、彼女の“清楚可憐”な仮面のルーツにも迫る内容となる。この春希と沙希の想いの違いや深さの対比が非常に心に迫るものがあり、終盤は胸が痛かった。そして驚きのエピローグ、続きが楽しみ。2022/04/02
rotti619
17
舞台は彼らの故郷月野瀬。帯にある通り「友達になったのは、彼の事を好きな女の子」、そしてはるきが二階堂春希へ、はやとが霧島隼人になる過去が明らかになる等、盛り沢山の内容となっている。月野瀬に”残った”村尾沙紀と、”いられなかった”春希の過去と現在の姿がそれぞれ印象的に描かれている。二階堂春希としての彼女が演じる「相手の望む姿」が完璧で完璧であるほど母の田倉真央の血を感じさせてしまう姿が痛々しい。ただ、ここまで一貫して彼女を救うのは仲間の絆だし、新たに沙紀も加わるのは当然。恋の鞘当て程度でこの絆は壊れない。2022/04/05