出版社内容情報
江戸時代中期、十五万石を超える富裕な石久藩。鳥羽新吾は上士の息子でありながら、藩校から郷校「薫風館」に転学、自由な気風を謳歌していた。その「薫風館」で陰謀が起きる。かつての学友たちが斬殺され、その真相を知った学友だった瀬島が自害。中老である彼の父も罷職となった。真実を知るはずの新吾の父は、事件後何事もなかったかのように妾宅に住み、そして二年が過ぎようとしていた。新吾は元服を迎え、親友の栄太は江戸へ遊学し同じく同輩の弘太郎には嫁取りの話が来ている。ゆっくりと時が進んでいたある日、弘太郎の近所で太刀傷の死体を見たと証言した隠居の老人が事故死する。同時に、弘太郎の許嫁の八千代が不自然に新吾の姓「鳥羽」に対し戦く。そして、突然栄太が謎の理由で帰郷する。かつての陰謀から再び不穏な気配がわき起こる。熱い「青春時代小説」!
内容説明
石久藩で起きた政争で、かつての学友たちが惨殺され自裁してから2年。その真相が詳らかにならぬまま、鳥羽新吾は元服、日常を取り戻しつつあった。親友の弘太郎から彼の許婚の八千代を紹介されるが、鳥羽の名を聞いた娘は慄き、逃げ去る。同じ頃「林の中で死体を見つけた!」と訴えていた隠居が水死体で発見される。浮上する公儀の存在と鳥羽家の宿命。そして新吾の父・兵馬之介の謎とは?名手が紡ぐ傑作時代小説。
著者等紹介
あさのあつこ[アサノアツコ]
岡山県生まれ。大学在学中から児童文学を書き始める。『ほたる館物語』で作家デビュー。『バッテリー』およびその続編で野間児童文芸賞、日本児童文学者協会賞、小学館児童出版文化賞、『たまゆら』で島清恋愛文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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